*BL小説* 全作品R18です。 閲覧は自己責任でお願いいたします。
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堂嶋に報告しそびれていたら、業を煮やして飲みに誘われた。理央を誘わない辺り、用意周到だろう。彼がいたら妨害されるから真だけ、ということだ。
「なんだかスッキリした面してるな。」
完全に揶揄い口調なので、酒でも飲んでいなければ応酬できそうにない。ウイスキーを喉に流し込んで溜息混じりに答える。
「まぁ、なんとかなったよ。」
「随分、曖昧な答えだな。くっついた?」
「・・・。」
居た堪れないにもほどがある。半ば自棄になり頷いて肯定した。
「そうか、そうか。じゃあ、今一番盛り上がってるわけだ。」
本当に勘弁してほしい。同期の目の前で盛大な溜息をつく。
「でも、そのわりには会社ではいつも通りなんだな。いつも通り過ぎて、逆に心配したっつうの。」
「黙ってて悪かったよ。」
「あいつの前でおまえさんの話振っても全く反応しないでやんの。ポーカーフェイスもあそこまでいくと可愛くねぇな。」
「理央で遊ぶなよ・・・」
堂嶋が事情を知っていることは、告白した時に理央には話してある。しかし直接揶揄われることがあれば、真にも火の粉が飛んでくるだろう。
「おしとやかな嫁さんとはほど遠いな。」
「何だよそれ。」
「島津が入社してきた年の新入社員歓迎会で、おまえタイプ聞かれて、そう答えてたぞ。」
「・・・記憶にない。」
「まぁ、面倒くさくて適当に答えたんだろ。でも聞いた当人はどんな気分だったんだろうな。おしとやかなのを演じる気配すらないのが、ある意味大物だけど。」
話ぶりからして、タイプを聞いてきたのは理央なんだろう。確かに理央はおしとやかな雰囲気とはかけ離れている。好きな人の好みを聞いてしまえば合わせたくもなるのが心情だが、もしかするとそれは日本人特有の感覚かもしれない。自分は自分、というところが理央にはある。
「男二人で潤うもんなの?」
堂嶋としては純粋な疑問のようで、真顔で聞かれて目が泳ぐ。やることはしっかりやっているので否定もできないが、真面目に肯定するのも憚られる。
「まぁ・・・」
結局それでも曖昧に肯定して、居た堪れなさを誤魔化すようにグラスへ口をつける。寿命が縮んだら堂嶋の所為にしてやろうと心の中でぼやき、一晩中続けられた苦行に、この夜ばかりは疲労困憊した。
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