*BL小説* 全作品R18です。 閲覧は自己責任でお願いいたします。
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やはり彼にはおしとやかという言葉は当てはまらない。仕事中はちゃんと上司と部下だが、プライベートで二人の時間を過ごしていると、愛情表現に際限がない。あまりの甘さに目眩がしそうになる。
「真さん、したいな・・・」
愛を囁く口も、訴えかけてくるグレーの瞳も雄弁だ。いつでも直球で来るので、逃げ場もあったものじゃない。身体を求めてくる時も、溢れる想いを隠そうともせず、全身で諭しに掛かってくる。初日の恥じらいは、どこか遠くに飛んだらしい。
「真さん・・・ダメ?」
ここ連日抱いていることが頭を過ぎって躊躇していると、悲しそうな顔で尋ねてくる。反則だろうと思いつつ、毎回この手に屈服するのだ。
「そんなことないよ。」
そして今夜も例に洩れず陥落する。
示し合わせているわけではないが、交互に互いの部屋を行き来して過ごす。そしてそのまま行為に雪崩れ込んで朝を迎えるのがここ最近のライフスタイルになってしまっている。
職場にその甘い空気を持ち込んだりはしない。むしろ理央の方に一線を引いている気配があって、近づき難いくらいだ。肩を叩いたり、意図せず手が触れたりするだけで狼狽えていたりする。
しかし二人きりになった瞬間に発揮される、この魔性具合はどういうことなんだろうと不思議に思う。オンオフがしっかりしているのは喜ばしいことだが、あまりのギャップに驚く。
ベッドで睦み合っていても、理央は好き勝手にはさせてくれない。真が仕掛ければ競うように仕掛けてくるし、そういうところに雄の性を感じる。
真の首筋に軽い口付けを落として、胸を撫で始める。男でも胸が性感帯になり得ることを理央に教わった。舌を巧みに使って胸の飾りが転がされる。次いで掌で脇腹を撫でられれば、早速真の分身が硬く反り始める。
初めて身体を交じり合わせた翌日は、さすがに理央も身体が辛そうだった。しかも中に放ったまま寝落ちしてしまったので、翌日具合が悪そうだった。本当は掻き出さなければならなかったと後から聞いた。本人も忘れていたようで、久しぶりだと言うのは嘘ではなかったのだろう。
しかし毎夜のように身体を重ねていく内に、徐々に身体も慣れたらしい。行為に及んでも、翌日何事もなかったような顔で仕事に勤しんでいる。
胸部に花びらが散っているように、紅い跡がそこかしこに見える。舐め回しては吸い付き、食い尽くされそうという表現がぴったり嵌るように思える。
理央は早々に全てを脱ぎ捨てていたが、真はまだ下半身に衣類を纏ったままだ。陰茎が窮屈そうにハーフパンツを押し上げている。
「脱いでいいか?」
「キツイ?」
フッと妖艶な笑みを溢して、理央が何の躊躇いもなく手を掛けて下ろす。飛び出てきた真の分身を愛おしそうに手で触れてくる。
「ッ・・・」
汗ばんでしっとりした手に包まれて、気持ち良さに真も息を詰める。仕返しとばかりに理央のモノを握って擦り上げると、理央が目をギュッと瞑って甘い息を上げた。
「真さん、今日はこのままイかせて。ちょっと腰痛くて・・・」
腰が痛いと言うわりには嬉しそうに笑う。腰痛の原因が昨日の激しい情事の名残りだからだろう。
堂嶋と飲みに行った日、置いてきぼりを食らったのが寂しかったらしい。連日しつこいくらいに強請られた。煽られるなというのが無理な話で、理央に促されるまま行為に及んだら、腰痛に見舞われたということだ。男同士の場合、受け身のダメージが結構なものなのだと改めて突き付けられる。連日平気なふりをして、理央なりに気を使っていたのかもしれない。
理央の扱く手の動きは穏やかだ。慈しむような手つきに、また煽られてしまう。粘着質な音と互いの荒い息だけが部屋に響く。それすら心地良くて、うっとりと下半身に生まれる快感に酔いしれた。
理央が真の肩に額を当てて、寄り掛かってくる。さらに息が上がったようで、その勢いのままに彼の手の動きも速くなる。
真も理央のペースに合わせて扱く速度を上げる。すると理央の口から甘い声が上がり始めた。
「あぁ・・・ぅ・・・」
理央が悩まし気に頭を小さく振る。
「真さん・・・ぁ、でるッ・・・」
掠れた声で悲鳴を上げ、身体を震わせ達する。高く飛沫が上がって、真の胸部まで届いた。
「ぅッ・・・あ、ぁ・・・」
切ない声と何度も飛び散る白濁の密に、真は気を良くして射精と共に萎え始めた陰茎を擦り続ける。すると身体を震わせて潤んだ瞳が見上げてくる。その顔を拝めただけで、真も気が昂ぶる。
真の硬茎に指を絡めたまま動かそうとしない理央に、自分の手を重ねる。すると呆然としていた理央が我に返ったらしい。真に擦り寄って止めていた手を再開させた。
明らかに高める意図があって動く手に、真も急速に息が上がる。目の前がチカチカと光り始め、真は声も発さず達した。
気持ち良いのも度が過ぎると拷問になる。射精の続く陰茎を強く扱かれ、呻いて理央にしがみつく。理央の手の中で精が噴き出る感覚を生々しく感じ、堪らず反射的に腰を揺らす。
「はぁ・・・」
少し強引に深呼吸をして、昂り過ぎた身体の熱を下げる。
「真さん、大好き。」
互いの吐き出した精も拭わないまま、口付けを交わす。戯れるような軽いキスをしているうちに、羞恥するという感覚を頭が思い出してくる。
「いつも照れ臭そうにしますよね、真さん。」
「そう言うおまえは、いつも平気そうだよな。」
「なんか悔しそうですね。」
「別に・・・」
本当は少し悔しい。何だか掌の上で転がされている気分だ。セックスの主導権も理央にある気がする。かといってあんなに積極的に迫っていけるかというと、それは難しい。もしかしたら仕事でも、と疑心暗鬼になりかけて、それは違うだろうと冷静な頭が現実に呼び戻してくれる。
「だって好きな人とできるのが嬉しくて、盛らずにはいられない、っていうか・・・」
こういう事を平気で口にしてしまえること自体、真には俄かに信じ難い。ここまでオープンな口を自分は持ち合わせていない。
「ねぇ、真さん。俺のこと好きですか?」
情事のたびに強請られる。何としてでも、一日一回言わせたいらしい。負けず嫌いな心を奮起させて、理央の腕を取って抱き寄せる。
「好きだよ、理央。」
耳元で囁けば、満足そうに、そして嬉しそうに微笑む。この笑顔が見たくて、真は何度だって陥落する。理央の顎を掬い取って、優しく唇を重ねた。
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