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とおる亭

*BL小説* 全作品R18です。 閲覧は自己責任でお願いいたします。

ツインタワー22

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ツインタワー22

酒が程良く入り吐精もして完全に緊張が解けたらしい。舟を漕ぎ始めた理央をそのまま腕に閉じ込めて、二人でシングルのベッドにそのまま横になる。

達した直後は相当恥ずかしかったのか真の肩に顔を埋めたまま離れようとしなかった。けれどそのまま眠くなったらしい。肩口で静かな寝息らしきものを聞いて、真は頬を緩めた。

「理央?」

「ん・・・」

自分の腕の中にいることが俄かには信じ難くて、理央の身体にそっと手を触れてその存在を確かめる。整った顔を覗き込むと、思う以上に無防備な寝顔が見えた。

触れ合うだけでこんなに心が満たされた自分に驚く。淡白だと思っていたのに、一度触れたらもっとその先が欲しくなった。好きな気持ちを受け入れてもらえることが、こんなにも心を潤すなんて知らなかった。

「理央・・・」

もう一度名を呼ぶと、呼ばれていることに気づいているのか否か、擦り寄ってくる。理央は人懐こいし明るいが、可愛いという形容詞が一般的に当てはまるようなタイプではない。笑わなければ、むしろグレーの瞳が彼を冷ややかに見せるだろう。長身の真と背もほとんど変わらないし、細身だが筋肉質だ。女を感じさせる要素は何一つない。

けれど真はこの腕の中に閉じ込めた塊を可愛いと思う。脇目も振らず真っ直ぐ自分を見て、必死についてくる。まるで雛のようだ。それを健気で可愛いと思う。その気持ちを認めて受け入れるまで時間がかかってしまった。けれど今となっては、その気持ちが間違えだなんて思わないし、彼の瞳がずっと自分へと向けられていることを願っている。

理央が自分の与える刺激で快感を享受しているのを見た瞬間、どうしても手放したくないと思った。今まで誰かを抱いてそこまで強烈な独占欲を感じたことはない。自分にとって理央の代わりになる者などこの先現れないだろう。それを自覚したから、この関係を守り通して大切にしたいと思う。終わらせたくない。

穏やかな寝顔を見ていると、真にも段々と睡魔が襲ってくる。ライトのリモコンを視界が許す限り探すと、すぐにベッドサイドのテーブルの上に転がっているのを見つけた。身体を捩ってなんとか手に取る。
照明を消してしまうと、部屋の中は完全に闇と化す。しかし肌を伝ってくる温もりと、耳を擽る規則正しい寝息が、真の心に灯火を与えてくれた。目を閉じて息をつく。そして真もいつの間にか夢の中に意識を手放した。














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