朝目覚めて確認した時計は、まだ出社時刻には程遠い時刻を指していた。
精力尽きるまで貪りあった身体の節々が悲鳴を上げている。久々におぼえる疲労感は甘いものではなく、今日一日、姿勢を正していられるかどうかという際どい状況だった。
真の隣りには理央が裸のまま横たわっていて、無防備にその白い肌を晒している。寝顔を見ていると彫刻のようだ。それくらい美しいという言葉が似合う恋人。吸い付くようなもっちりとした肌に触れると、くすぐったそうに身じろぐ。その仕草が可愛くて、つい何度も繰り返しているうちに、瞼がピクリと動いて、すぐにグレーの瞳がこちらを直視した。
「真さん・・・」
本当に幸せそうな顔で笑う。蕩けるような笑みが真の下半身に僅かながら刺激を与えて、タオルケットの下で蠢めく予感をもたらす。
昨夜出し切ったと思っていたが、自分が想像する以上に下半身は威勢が良いらしい。そんな自分を誤魔化すように、理央の髪に手を伸ばして、ゆっくり梳いていく。
気持ち良さそうに、うっとりとこちらを見つめていた理央だったが、スルリと手が伸びてきて真の分身を直に握ってくる。
「ッ・・・」
「口でしてもいい?」
「・・・するな。」
「なんで?」
朝は夜と違った開放感がある。目覚めの吐精が心地良いのも知っているけれど、昨夜あれだけ盛っておいて、翌朝もなんてさすがに盛り過ぎだ。
理央の疑問には返事をせずに起き上がろうとすると、すかさず理央の腕がガッチリと真の腰に巻き付いてくる。いつの間にかタオルケットもめくられて、何も身にまとっていない二人の身体が露わになっていた。
「ねぇ、真さん、お願い。したいなぁ。」
理央は強請りながら、こちらの意見を聞く気がなさそうだった。物欲しそうに勃って揺れる真の分身に唇を寄せて、舌で悪戯を仕掛けてくる。
「んッ・・・理央・・・」
「真さんのココも、欲しいって。」
理央の温かい口内に迎え入れられて、素直な身体は歓喜で震える。真は天を仰いで眉根を寄せた。昨夜の熱情を色濃く残したままの身体は、あっという間に駆け上がって、理央の愛撫を受け入れてしまう。
舌で先端をくすぐられ、手でリズム良く擦っていく理央は慣れたものだ。求めてぶつかり合うような激しい愛撫ではなく、目覚めたばかりの身体を優しく包むような愛撫。
朝だと身体がまだふわふわしていて上手く力が入らない。当然我慢もきかなくて、こじ開けてくるような舌の動きに、すぐ根を上げる。
「理央・・・ッ・・・」
「ん・・・んッ・・・」
理央が口いっぱいに真の分身を頬張るのを呆然と見下ろして、促されるままに理央の喉奥めがけて熱い飛沫を放つ。
「うッ・・・ん・・・」
息を詰めて最後までたっぷり放出すると、全身から力が抜ける。仰向けのまま手で顔を覆って肩で息をしていると、理央の呻く声が聞こえ、声のした方を見た瞬間、真の腹部に白濁の蜜が散った。
膝立ちしたまま己の分身を擦って達したらしい。恍惚とした表情で一滴残さず出して満足したらしい理央は、自分で放ったもので汚れるのも厭わず、抱き付いてくる。
「あぁ、やっぱり朝って気持ちいい・・・」
恋人に愛撫しながら自分を慰めて、躊躇いもなく恋人めがけて達するなんていう芸当は、真にはできそうにない。そういう行為に全く抵抗がないらしい理央をある意味、天晴れと思ってしまう。
確かに朝のこの行為は気持ちがいい。良過ぎて仕事に支障が出かねない。
理央が真に覆い被さったまま指で真の唇を弄り出す。キスがしたいと思いつつ、口淫した後はキスを嫌がる真を知ってのことだった。
たまには許すかという気になり、真の方から理央の唇に自分の唇を重ねる。理央の口内にまで及ばなければ苦味は感じないと思っていたが、近づくだけで例の独特な青臭い匂いがして、意識せず顔を顰める。
「真さん、苦手でしょ? 無理しないでください。」
理央がそれでも嬉しそうに微笑む。
「ねぇ、真さん。キスマークつけて。どこでもいいから。」
強請られるままに抱き寄せて首の深い位置にキツく吸い付く。パッと赤く痕の付いたところを指で撫でていると、不思議と理央の身体が自分だけのものだという気がして安心する。
「理央」
「真さんもね。」
してほしいと強請る前に悟られて、理央が胸元に強く吸い付いてきた。ついでに噛み付いて歯型まで残され、さすがに痛さで真は呻く。
「つッ・・・」
「よし、これで俺のもの。」
子どもがおもちゃやお菓子を自分の所有物だと確かめて満足するような声に似ていた。こういう瞬間を愛おしいと思うし、可愛いと思う。同じ大人の男で、可愛さとはあまり縁がなさそうな容姿をした恋人だけれど。
「理央」
「なんですか?」
「・・・なんでもない。」
「そうですか?」
可愛いな、と言おうと思ったが、咄嗟に羞恥心が湧いてきて言葉を呑み込む。機嫌の良さそうな恋人は大して疑問も持たなかったようで、自分のものだと確かめるように、真を大事そうに抱き締めてきた。
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気が付いたら3日連続ベッドシーンという状態でした(笑)
(この手のシーンが苦手な方、すみません!)
根本的に浮き沈みの激しいところが変わっていない理央と、
ちょっと年を取って、若さにあてられている真を書いてみました。
この二人は自分の中でキャラクターがしっかり安定しているので、
書きやすいです。
また息抜き代わりに時々書きたいと思います。
さて、明日からは短編ですが、
勝田凌と香月皐ターンです。
大変くだらないことで悩む勝田をお届けいたします。
よろしければ、またお付き合いお願いいたします。
それでは、また。。。
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朝霧とおる
1. 無題
期待通り、いえ、それ以上の勝田さんの、真と理央への絡みっぷりと、理央のワタワタに笑いっぱなしでした(*≧∀≦*)
理央の言動がいちいち可愛くて面白くて堪りませんでした(笑)
次回から勝田さんが主役ですね!
大変くだらないって(笑)この時点ですでに笑ってます(о´∀`о)
毎日の更新ありがとうございます。季節の変わり目ですのでどうぞご自愛くださいませ(*^^*)
Re:
楽しんでいただけたようで、大変嬉しいです。
理央にちょっかいを出すのが好きな勝田ですが、なんだかんだ面倒見の良い上司として影の主人公だったりします。
真と理央の前ではそれなりに上司面をしておりますが、彼もくだらない事で悩んだりするのだということを、明日からお話でちょっと覗き見ていただければと思います。