忍者ブログ

とおる亭

*BL小説* 全作品R18です。 閲覧は自己責任でお願いいたします。

ツインタワーⅡ-6

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

ツインタワーⅡ-6

勝田をホテルへと見送って、小野村と理央の部屋があるコンドミニアムへとタクシーで向かう。落ち込んだり肝が冷えたり、酔うに酔えなかった。

少しでもいいから小野村の熱を感じたくて、そっと指先だけ触れる。小野村が驚いたように顔で覗き込んできたが、浮かない顔しか返せなかった。けれど小野村は理央の手を振り払う事もなく、そのままでいてくれた。

一人でいたくなくて、二人きりのフロアの廊下で小野村の手首を掴んだ。

「上がっていって、真さん・・・。」

仕事モードを終えて、唐突にこの人が欲しくなる。指を絡めて熱を確かめ、強い抱擁が恋しくなったのだ。

お互い年末で疲れている。酒も入っているし、ちゃんと機能しないかも、なんて下世話な事を思いながらも、自分の下半身はちゃっかり熱を持ち始めている。

欲しい時は遠慮したりしない。遠慮していたら手に入らないし、言わない後悔をしたくない。この恋が叶ってから、自分に繰り返し言い聞かせている。

「お言葉に甘えて、誘われようか。」

小野村がドアを開けるように促してきたので、理央は安堵して鍵を回した。

逸る気持ちをそのままに、荷物を放ってバスルームへ直行する。

二人で素っ裸になっても寒気を催さないのは常夏の良いところだ。アルコールで互いに上気した肌をピタリと合わせる。嬉しくて、満たされた甘い息を零すと、小野村に唇を奪われた。

「真さん・・・」

「ん?」

「触って」

緩く勃ち上がったものを、小野村の腰に擦り付ける。小野村が理央のカタチを確かめるように手で包み込み、優しく擦っていく。心地良い快感に理央が息を上げると、小野村の目が満足そうに細められた。

「真さんも」

「ああ」

小野村の分身に指を絡めると、甘い溜息が溢れる。窪んでいる部分を執拗に擦ると、小野村の眉根が寄る。彼が最も快感を拾う部分だ。

下を向いていた小野村の陰茎がしっかり上を向く頃には、理央の分身も弾けそうになっていた。
シャワーも満足に浴びる前から事に及んだので、手早く身体に湯を掛けて回し、清める。小野村がボディソープの泡を盛った手で、理央の硬く反った分身を包む。ぬるぬると生々しく滑る感触が気持ち良くて、慌てて腰を引く。

「ぁ、待って・・・」

「イっていいのに。」

「真さんも・・・」

二人で額を合わせて微笑み合う。口付けを交わして腰を引き寄せられると、互いの主張するものが触れ合う。熱くて硬い昂り。泣きたいくらい嬉しくなる。この人は自分を好きなんだと、一番確かに感じる瞬間だからだ。

壁に手をつくように促されて、腰を後ろから抱え込まれる。小野村の指が遠慮なく秘部を分け入ってきた。

「・・・ん・・・ぅ・・・」

「理央」

耳元で自分を呼ぶ声は堪らなく甘い。秘部を慣らす合間にも、時々彼の昂りが腰に当たってくる。早くその熱が欲しくて、振り向いて視線で強請る。

「欲しい?」

「うん」

「力抜いてて」

「うん・・・ぁ・・・」

理央が力を抜いたタイミングを見計らって、小野村の先端が押し入ってくる。一番太いそれが入ってしまえば、後は難なく自分の秘部は小野村を呑み込んでいく。

「あぁ・・・ん・・・ぅ・・・」

小野村の分身でみっしりと埋まった秘部が、さらに内部へ取り込もうと意図せず蠢く。小野村を結果的に締め付けてしまい、彼のカタチをくっきりと感じた。

「理央ッ、ごめん。あんまり、もたないかも・・・。」

そう言いながらも、馴染むまで待ってくれる優しさが愛しい。大事にされているんだと、胸がいっぱいになる。理央の方から誘って腰を振った。

「ぅわ・・・理央ッ」

一度擦れ合った刺激に耐えられなくなったのか、小野村が激しく腰を打ち付けてくる。途端に始まった律動に、理央は崩れ落ちないように、必死になって足を踏ん張った。

「ぁ、はげしッ・・・まこと、さ・・・」

「理央・・・理央ッ・・」

切羽詰まった小野村の声が耳元でこだまする。繰り返し甘い息と共に紡がれる自分の名。身も心もふわふわしてきて、快感だけに身を委ねる。

ゆっくりと時間をかけてセックスするのを好む人なのに、今夜はどうしたのだろう。いつになく性急で昂ぶっている。誘ったのは理央の方だったのに、今や立場は逆転していた。

求められる熱量がいつもより多い気がして、理央も興奮を掻き立てられる。こんな獣じみている恋人をあまり見たことがない。

快感を追いかけて、文字通り貪り尽くされる激しい熱情に、理央も煽られて先走りの蜜を溢した。

「・・・ぁ、イくッ・・・理央ッ」

小野村が小さな悲鳴を上げる。

一際激しく突かれて、理央も頭が真っ白になった。射精したことに気付いたのは、シャワーの湯でほとんど流れ去ってしまった後。上がった息も収まりかけた頃だった。

「真さん、どうしたの?」

彼をこんな風にさせる要素が何かあったかと、首を捻る。心当たりがなかった。

「いや・・・」

若干気まずそうな小野村に内心さらに首を傾げる。

「あの人と会うと思うと、必要以上に力入っちゃって、緊張するんだよ。おまえと二人になったら力んでた分が一気に緩んでさ・・・。悪い・・・ガツガツして、大人げなかったよな・・・。」

緊張しているようには全く見えなかったけれど、小野村にもそういうところがあるのだと思うと、何だか笑える。いつも淡々としているし、堂々としているこの人も人の子なのだ。

そっぽを向いてしまった小野村に抱き付いて、思う存分、彼の匂いを吸い込む。小野村の顔を追い掛けてキスを強請ると、気恥ずかしそうな瞳とぶつかった。

「真さん、好き」

「・・・。」

自分は小野村の気恥ずかしさに呑まれてしまうような性格ではない。惜しげもなく自分の愛を訴えて、この人が自分のものだと確かめるのが、自分らしいところだ。

「ガツガツしちゃう真さんも、俺のものでしょ?」

勘弁してくれと小野村の目が訴えてくる。久々に本来の調子が戻ってきた自分に、自信が漲ってくる。

考え込んでいても仕方ないのだ。自分の出来る精一杯のことをして、前を見続けていくしかない。

開き直れた自分にホッとする。これで明日からまた仕事が頑張れそうだった。思いがけずに訪れたメンタルの回復に、理央は小野村に抱き付いて喜びを露わにした。






----------------------------------------------------
いつも閲覧いただきまして、
ありがとうございます!!

1月15日までアンケートを行っております。
よろしければ、ご参加いただきまして、
ご意見賜ればと思います!!






Twitter
@AsagiriToru
朝霧とおる

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村

B L ♂ U N I O N
PR

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

プロフィール

HN:
朝霧とおる
性別:
非公開

P R

フリーエリア