貪り倒した初日に大満足していたが、腰だけでなく、どこもかしこも身体の節々が痛い。
「真さん・・・」
けれど懲りずに朝から睦み合っている。
「きもち、い・・・」
挿入はせずに、足の間に彼の分身を招き入れて、横抱きにされている。熱い切っ先が陰嚢を擦り上げて刺激する。緩やかだけれど官能を擽る感覚に、理央の口から甘い息が溢れた。
「ぁ、出る・・・真さんッ・・・」
理央が限界を訴えると、小野村がティッシュを充てがってくれた。ホッとしたところで彼の硬い雄に突かれて、その衝撃に目の前が真っ白になる。
「・・・ぁ・・・ッ・・・」
ゴムの纏わり付く感触がないと、解放感がある。堪らなく気持ち良くて、我慢せずに彼の手に欲望の証を放った。
「はぁ・・・きもちぃ・・・」
身体が射精に合わせて無意識のままピクリと跳ねる。
「・・・ぅ・・・んッ・・・」
小野村の手がゆっくりと萎え始めた陰茎を上下に擦っていく。その動きにつられるように、理央の先端からは白濁の蜜が溢れた。
「真さん・・・真さんも・・・」
熱い彼の塊が腿を叩いたので、振り向いて向かい合う。小野村の硬茎をそっと握って、その熱さを確かめる。小野村が抵抗を示す前にずり下がっていき、彼の先端へ口付ける。切っ先が震えて透明な蜜が浮かんだ。その光景を見て、小野村が居た堪れない顔をする。
「おまえ、ホント、口でするの好きだよな・・・」
「イヤ?」
「嫌というか・・・」
「真さんのね、恥ずかしがって身悶えてる顔が好き。」
いつもあんな涼しげに凛々しい顔で仕事をする彼が、自分の前では焦ったり恍惚とした顔を見せる。そういう顔を見せてくれるのがこの行為なのだ。弱みを見せてくれる優越感。だから理央自身も最高に気分が良くなる。
「理央ッ・・・」
顔を顰めて焦った彼は、自分だけのもの。口を窄めて舌を這わせると、途端に彼の陰茎は容積を増した。
「・・・ッ・・・ぅ・・・ぁ・・・」
声は可能な限り堪えようとする。声を聞かせてと何度も強請ったけれど、小野村はこれだけはどうしても譲らない。けれど耐えた分の熱は彼の分身へとダイレクトに送り込まれる。口の中で漲っていく速度がそれを物語っていた。
無意識に逃げの体勢を取り始める腰を腕で捕えて、夢中でしゃぶる。
「・・・り、理央ッ・・・」
小野村の手が理央の髪を梳いていく。欲望に素直になるのなら、本当は頭を掴んで腰を振りたいところだろう。けれどそれをしないのは彼の良心と理性が乱暴な行為を押し留めているからかもしれない。
絶頂が近くなると、落ち着きなく彼の手は彷徨い始める。そして快感を逃がそうと何度も仰け反る。
理央はトドメを刺すために、彼の先端に舌を這わせて吸い上げる。彼の分身が一際大きく波打って、理央の頭を掻き抱いてきたのは同時だった。
「ぁ、理央ッ・・・ぁ、ッ・・・うッ、くぅ、ん・・・ッ・・・」
喉を打った熱い飛沫をそのまま呑み下して、満ち足りた気分になる。この人の全部が自分のもの。小野村はきっとまた顔を顰めるだろうけど、やっぱり好きなものは好き。
わざと音を立てて吸い上げて口から離すと、小野村の腰が微かに跳ねる。それも良い気分で眺めていると、彼の視界が理央の瞳を捕えた。こちらに向かって大きく息を吐いて、苦笑している。
「気持ち良かった?」
「おまえにいつか、喰い尽くされそう・・・」
小野村の顔の位置まで這い上がっていき、抱き着く。口をゆすがないでキスをすると嫌がるから、彼の頬に口付けた。
「何でかなぁ・・・」
「何がですか?」
小さく笑いながら、彼の指が理央の頬を抓って遊んでいる。
「可愛く見えるんだよね、おまえが。」
「男ですよ、俺。」
「知ってるよ。同じもん付いてる。」
「可愛く見えるの?」
「そう。」
不思議だね、と小野村に返して二人で笑う。本当に不思議だ。小野村は自分のことを可愛いと言うけれど、他の人に可愛いと言われた経験はあまりない。どちらかと言えば、クールだと評されることが多いから、小野村の目は他の人とちょっと違うんだろうと思う。
愛おしい気持ちを返してもらえることに心が躍る。幸せな気分で今日一日を始められる事実に、胸がいっぱいになった。朝から最高潮に気分が良くて、頭の中でファンファーレでも鳴ってしまいそうだ。
勢い良く起き上がって、小野村の腕を引く。さすがに二日間連続で寝正月はバチが当たりそうだ。正確に言えば大晦日と元旦だから少し違うが、細かいことはどうでもいい。
「朝ご飯、食べに行きましょう?」
「おまえ・・・元気だな。」
「真さんも元気じゃないですか。」
疑問に思って彼の下半身に目をやれば、頭を叩かれた。
「痛ッ! 何で!?」
「ホント、おまえってやつは・・・」
怒ったかと思えば、今度は呆れている。何で叩かれたのか、意味がわからない。頭の中にクエスチョンマークが飛び交っていると、今度は背中を叩かれた。
「行くぞ、朝ご飯。」
二人で騒ぎながらシャワーを交代で浴び、小野村の小言を浴びながらドライヤーで手早くお互いの髪を乾かし合った。
年始から騒がしい。でも今まで経験したことのない正月の過ごし方。これ以上望めないお年玉に、理央の心は浮き足立つばかりだった。
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