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とおる亭

*BL小説* 全作品R18です。 閲覧は自己責任でお願いいたします。

ツインタワーⅡ-11

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ツインタワーⅡ-11

始めゆっくりだった呼吸が浅くなり、早くなっていく。理央が張り詰めた分身を舐め上げると、彼は苦しそうに眉を顰めた。弾けそうで爆ぜない。その間を行き来して快感を享受する小野村を見つめるのが好きだ。

「理央・・・」

絶頂が近くなると理央の髪を梳いて名を呼ぶ。自覚があるかはわからないけれど、彼の癖だ。

理央が射精を促すように先端をこじ開けるように舌で擽ると、小野村が堪らないという顔で息を詰めた。

「理央、出そう・・・」

耐える必要なんてないのに、いつも限界がくるまで彼は抗う。チュッと吸い上げて見上げると、焦ったように理央の肩を掴んできた。けれど押しやるほどの力ではなく、悩ましげに呻いた。

「ッ・・・イくッ・・・ぅッ・・・」

理央の頭を掻き抱いて、天を仰ぐ。震えた身体が愛おしくて、理央も口内で絶頂の証を受け止めながら彼の腰へ腕を回した。

「ぅ、くッ、ん・・・」

堪え切れない感じ入る小野村の声を、耳元で気分良く聞く。慈しむように彼の分身を何度も吸い上げて、そのたびに彼の精が口の中で広がっていく。

青臭い苦味を口内に纏ったまま小野村にキスを仕掛けると、彼が思い切り顔を顰める。

「おまッ、え、口ゆすげッ・・・」

「ヤダ。真さんの味だもん。」

「悪趣味だな。」

そんな事は知ってる。でも紛れもなく自分の愛撫で小野村が達した証だ。嬉しいに決まってる。この苦味が残っているうちは、彼の全てが自分のもの、という気がして満たされる。自分の独占欲を満たす方法としてはいささか趣味は悪いが、手っ取り早く確かな証拠。何度だって味わいたくなる。

「満足したか? 今度こそ、おまえの中でイかせてくれよ。」

自己満足に浸っていると、ギュッと腕を掴まれて形勢が逆転する。組み敷かれた後で、自分にのし掛かる重みを感じて、小野村の甘い息を首元で受け止めた。

「柔らかいな。」

頭上で微笑まれながら、彼の長い指が秘部へ滑り込んできた。すぐに三本まで増やされて、無意識に理央の喉が鳴った。

小野村が理央の感じるポイントを押しては解きほぐしていく。始めだけはどうしても強張る身体。けれど彼の慣れた手に溶かされて、身体を明け渡しすのに、さほど時間はかからない。

「んッ・・・ふ・・・」

優しく自分を見つめてくれる彼の瞳から目を逸らさず、ジッと魅入る。それだけで身体が熱くなった。小野村に高められていく身体。この人のだけのものでいたい。心ごと捧げて、この人のものでいる。がむしゃらに追い掛けて、全てを貪り尽くして滅び去るまで、ずっとずっとこの人のもの。

愛を囁いているつもりでそう語ったら、小野村には困った顔をされた。でも重過ぎると言われても、この想いを止められない。

心ごと囚われて、一緒に溺れてしまいたいと思っているのだから、今さら嫌だと言っても握った手を緩めたりはできない。

この人は、自分の気持ちにイエスと言った。むしろ彼からその道を開いてくれたのだから、絶対に逃がさない。

ここまで思う自分を彼は怖いと思うだろうか。でも呆れた顔をして、抱き締めてくれた。自分の中で幾度も愛を放って、震えるほどの絶頂を分かち合った。

そして今もまた、小野村は理央の秘部に己を充てがって、一緒に高みへと駆け上がろうとしている。

「真さん、挿れて・・・。」

後孔の入口を彼の先端が幾度も円を描いて擽る。物欲しげにヒクつく秘部を持て余して、理央は小野村を急かした。

彼が満足げに微笑むのを見て、彼の分身が来る瞬間を待ち侘びた。

「あ、あぁ・・・」

小野村の一番太い部分が、秘部をかい潜ってくる。そこを過ぎれば、重量感のあるものが後孔を次々と満たしていく。彼の熱さに酔いしれて、頭が焼き切れるほどの衝撃と幸福感が同時に襲ってくる。

「あ、あ・・・ぁ・・・すご、い・・・」

「ぁ、理央・・・そんな、締めるなよ・・・」

搾り取られていく感覚が小野村から理性を奪っていく様子を肌で感じる。荒い息も、理央の上に滴り落ちてくる汗も、小野村が理央の身体から快感を受け取っている証だ。

もっともっと溺れてしまえばいい。彼の瞳に自分だけが映る幸せを噛み締めて、理央は小野村へと抱きつく。そして自ら腰を揺すって誘えば、素直に小野村が抽送を始めた。

「きもち、ぃ・・・まこと、さ・・・ッ」

揺さ振られて、彼の先端が理央の感じる場所を抉る。そのたびに仰け反って身悶えた。

頭の中がシンプルになっていく。気持ち良くて、幸せ。この人が好きで、全てを奪い尽くしてしまいたい。

「はぁ・・・あ、そこ・・・」

「ッ・・・ここ?」

明らかに上擦った小野村の声。耳元で温かい息と共に吐き出される彼の言葉を拾って、理央は必死に頷いた。

もっと欲しい。この人と溶け合えるくらいに。抱かれているようで、抱いているような不思議な感覚。

「いい、きもち・・・ぁ、くるッ」

「ぁ、理央、待ッ・・・ぅッ」

小野村が思い切り感じるところを突いてきたので、反射的に彼の分身を締め付ける。彼が息を詰めたのと、自分が快感の証を放ったのと、どちらが先だったのか。

ゴム越しにジワリと広がった熱が、身体を伝ってくる。そして気が付くと、小野村と自分の腹部に擦れて刺激されていた理央の分身も、精を放っていた。

タプタプと先端の精液溜めが吐精した重みで揺れている。小野村が愛おしそうに先端を撫でてきて、敏感になった身体がその刺激で震えた。

「ぁ・・・」

二人で吐精の余韻に浸って、軽い口付けを繰り返す。のし掛かってくる彼の重みが心地良い。頭上からうっとりとした溜息が聞こえて、二人で目を合わせて笑った。振動と締め付けで、未だ自分の中にある小野村の分身を生々しく感じる。

「こら、締めるな。」

「もう一回しましょ?」

仕方がないな、っていう顔をしていても、萎えたものが再び兆して膨張していく。男ってわかりやすい。身体は素直だ。言葉や表情で足りないものをこうやって感じ取る手段がある。

理央は一旦小野村の身体から離れ、彼の分身を身体から抜き去る。そして新しいゴムのパッケージを手に取って、いそいそと小野村の分身に手を伸ばした。






 

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