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とおる亭

*BL小説* 全作品R18です。 閲覧は自己責任でお願いいたします。

隣り15

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隣り15

心臓はまだ煩く鳴っているけれど、幾分頭が冴えてくると自分だけこんな醜態を晒していることが居た堪れなくなってくる。恐る恐る片岡の前に手を伸ばして布越しに触れてみる。

「歩?」

片岡の身体が微かに震える。触れてみたそこは硬くて、すでにカタチを成していた。歩が緊張した手で触れていくのを、片岡はただ黙って見ている。

自分と同じように前だけ寛げて、飛び出してきた硬茎を手で包み込んでみる。嫌悪感は全くなかった。表情を窺ってみると、余裕のあるいつもの大人びた雰囲気は消えていて、眉を顰めて歩の行為を受け止めている。

彼の気が高まっていくのがわかる。手の中で勢いを増していくのを見ながら、歩も胸が高鳴る。片岡が歩の肩口に顔を伏せてきて、彼の息遣いを肌で感じる。二人で心臓を忙しなく動かしながら、行為に没頭した。

片岡が再び歩のものにも触れてくる。腰を引き寄せられて、互いの昂りが擦れ合う。眩暈のするような刺激的な状態に、驚いて手を離しかける。すると片岡が手を重ねてきて、二人で互いのものを寄せ合って扱いた。

噛み付くようにキスをされて、上がる息に頭が朦朧としてくる。気持ち良くて、破壊的な刺激で昇りつめるのに、そう時間はかからなかった。

「歩・・・」

「ぁ、けんす、け・・・」

歩は情けない声を上げて片岡に縋り付く。揺れそうになってしまう腰を堪える事で必死だった。とんでもなく恥ずかしいのに、全身の自由を奪っていく快楽は甘美だ。歩の手に添えられた片岡の手が、二人で絶頂を迎えるための動きに変わった。

「ッ・・・ぁ・・・まってッ・・・」

「そんな、待てるわけ、ないだろ・・・」

うわ言のように溢した歩の言葉に、片岡が余裕のない声で返してきた。

一際強く擦られて、身体が震えて弛緩する。二人で一緒に息を詰めた。

「んッ、ん・・・ぅ・・・」

「ッ・・・ん・・・」

白濁の蜜が二人分たっぷりと散って、手を濡らしていく。震えて心許ない身体を、片岡がしっかり抱き締めてくれた。

「歩から触ってきたんだから、文句はなしだぞ。」

「・・・うん。」

「そんな顔してたら、また襲いたくなるだろ。もう・・・」

そんな顔って、どんな顔だろう。快感の波に攫われたまま、なかなか意識が浮上してこない。片岡の言葉も話半分にしか頭に入ってこなくて、相槌すらまともに打てない状況だった。

「歩、さすがに自分でした事はあるよな?」

「・・・する、けど・・・」

「反応が初心過ぎて、心配なんだけど。」

ぐったりと脱力している歩をよそに、片岡が吐き出された二人分の蜜を手早くティッシュで拭っていく。それを呆然と見ながら、今二人でした行為を思い返して顔が熱くなる。すでに火照っていた顔は、さらに沸騰していった。

「可愛い。」

「揶揄わないでよ・・・」

「揶揄ってないよ。本心だから。」

「ッ・・・」

恥ずかしくて堪らず、頭突きでもする勢いで片岡の胸に突進していく。すでに行動を読まれていたのか、片岡は難なく歩を受け止めた。








 







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