身体を繋ぐだけが愛を確かめる方法ではない。けれど手っ取り早くわかりやすいその行為を欲してしまうのは致し方ないかもしれない。
「ね、和希。挿れて・・・」
「今日はしないって言っただろ?明日、仕事なんだから。」
「あッ、やだ・・・あぁ、ん、んッ」
赤く熟れた先端を口で強めに愛撫する。そうすれば、たちまち我儘な理性を手放す。
「今日はこれで我慢して。」
「ぁ・・・あぁ・・・ん・・・いやぁ」
あまり長く喘がせると翌日に響く。一度優希の声が枯れて焦った。手と口を使って優希の硬茎を惜しみなく扱いていく。卑猥な音が部屋にこだまして、行為の生々しさを実感させられる。
先端から止まることなく溢れてくる蜜を舌ですくっては舐めとると、その度に優希の腰が浮いた。
「あ、あ、イくッ・・・かず、き・・・ぁ、あぁ」
口いっぱいに含んで吸い上げると、腰が高く浮いて絶頂を知らせた。
「ッ・・・あぁぁ・・・」
優希の先端から勢いを失うことなく精が数回噴き出る。うっとりとした目が虚空を彷徨って、手が所在なさげに動く。手を握ってやると、安堵したように優希の全身から力が抜けた。
「ぁ、かず、き・・・」
「気持ち良かった?」
「うん・・・」
「もっとして欲しいって顔」
「うん」
「でも、これ以上は週末な?」
「・・・わかった」
ひとしきり熱を出すと頭が冷えるのが男。こういう時は都合が良い。素直にやめることを了承した優希にキスをする。すると身体を縮めて頰を染めた。何度晒しても毎度恥じらうから可愛くて堪らなくなる。
「和希、してないよ?」
「俺はいいよ。」
「ダメ。」
「勿体ないから、週末までおあずけ。」
「なにそれ、変なの。」
和希の言いぐさがツボだったのか、優希が笑い出す。つられて和希も笑うと、嬉しそうに四肢を絡めてしがみ付いてくる。
「和希」
「ん?」
「大好き」
「うん。」
「いっぱい言っても足りないくらい好き。」
「・・・ありがとう。」
「幸せ過ぎて心配。」
「どうして?怖いの?」
聞けばちょっと困ったように首を傾げて曖昧に笑った。
「だって・・・俺の方がずっとずっと好きだから。」
そんなことないよ、と言おうとして結局やめた。優希の病的な依存は今に始まったことではないし、優希がこの事に対して同意や否定を欲しがっているわけではないことをわかっているからだ。
返事をする代わりに顔中にたくさんのキスを贈る。すると嬉しそうに微笑んだ。我儘で気難しい王子さまの面倒を見るのは苦労する。けれどその苦労をむしろ好んでしている自分もやはり病気だろう。
優希の着る物を整えてやり、抱き寄せて眠る。収まりの良い場所を見つけた優希は、すぐに安らかな寝息を立て始めた。
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こんにちは。
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まったり、のんびり、何も起こらない前半の社会人編を終了し、
明日から高校時代の二人へ遡ります。
高校男児の幼さが出ていればいいなぁ、と思いつつ、
高校男児だったことがないので空想!妄想!!
楽しんでいただければ幸いです。
そして、みなさまにお知らせが。
明日から夜中の0時に更新させていただきます。
次回更新が12時間後の21日0時となります。
よろしくお願いいたします!!
管理人:朝霧とおる
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