*BL小説* 全作品R18です。 閲覧は自己責任でお願いいたします。
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自宅マンションへ帰ってしまうだろうと思っていたのに、深夜一時過ぎに玄関で鍵が回る音がする。ここの鍵を持っているのは自分以外には柚乃宮だけだ。思いがけず訪れた僥倖に小躍りしたくなる気持ちを必死に堪えて、柚乃宮を出迎えた。
「ごめんなさい。起こしちゃいましたか?」
「いや、起きてたよ。お疲れ。」
すっかり就寝の準備をして、まさに寝ようとしていたことはおくびにも出さない。
「大橋さんも社の方にいらしたので、無事データも見ていただけたんです。サクサク進みそう。」
「良かったね。」
そんなに満面の笑みでこられると、拗ねて困らせる気にはならない。ただ好物を目の前にして喉を鳴らしている状態だというだけだ。
「湯船入れる?」
「いえ、シャワーだけで良いです。」
「そう?」
いつもならゆっくり入ってくれば、なんて声を掛けるところだが、もう夜も更けているから、早く一緒にベッドへ入りたい。
「もう遅いですから、先寝てて下さい。」
「じゃあ、お言葉に甘えて。」
抱いてスッキリするまで寝る気は全くなかったが、ゴネて時間を無駄にしたくない。素直に引き下がって、ベッドルームへ引き上げた。
寝室のドアを閉めてベッドで寝転がっていると、シャワールームから湯が流れる音が微かに聴こえてくる。
仕事で疲れた気怠げな身体を洗っている彼。そんな姿を想像するだけで反応し始めてしまうこの身体をどうにかしたい。
煩悩の塊のような身体に熱がこもってくる。中心に集まり出した熱を逃がす術もなくて、カタチを成していくままに任せた。
シャワールームに侵入してそのままそこで事に及んでしまいたい。際限なく湧き上がってくる欲に悶々としていると、どうやらシャワーを使い終えたようで、湯の流れる音がしなくなる。
早くここへ来いと念じて天井を睨み付けていること十分前後。ようやく寝室のドアがそっと開けられた。全く寝付いていない多田を見つけて、柚乃宮が苦笑する。
「寝てなかったんですか?」
「こんな状態で寝られると思う?」
身体を起こして、ベッドの脇に立った柚乃宮を抱き上げて自分の上に跨らせる。
もうこれ以上我慢するのは無理だと、噛み付くように柚乃宮へキスをする。
「ッ・・・ふ・・・」
舌を絡ませて彼の唇を貪っていると、珍しく柚乃宮の方から触れてきた。
キスをしながら布越しに数度前を揉まれて、待ち侘びていた刺激に身体が歓喜する。
「・・・んッ・・・ッ・・・」
気持ち良い。早く直に触れて欲しくて目で訴えかけると、跨っていた上から退いて脱がせてくれる。柚乃宮も疲れ過ぎて、いつものテンションとは違うのだろう。恥ずかしがる事もなく、さっさと纏っていた衣類を脱ぎ捨てて多田の上に再び乗ってくる。
滅多に発揮されない積極的な彼を楽しもうと、多田もあえて手は出さない。柚乃宮が自分のペースで進めやすいように、彼の施してくれる愛撫に身を委ねた。