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とおる亭

*BL小説* 全作品R18です。 閲覧は自己責任でお願いいたします。

宮小路社長と永井さん『アクアリウム』23

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宮小路社長と永井さん『アクアリウム』23

身体を繋げるかどうかなんて、些細なことだ。永井の身体を泡だらけにし、隈なくこの手で撫で洗っていると、その充足感は並みの感情では言い表せない。

時折くすぐったそうに跳ねる身体は昨夜と同じで感度は抜群だ。宮小路が触れる先から意識しているのが伝わってきて、永井の反応は宮小路を満足させてくれる。

彼の足先まで愛でようと手を伸ばすと、見過ごせないものに行き当たる。足の甲には大きな青痣があった。

「永井さん。これはどうしたんですか?」

「え……?」

「痛いでしょう?」

少し指圧すると、永井が顔を顰める。昨夜見た時はこんな痣はなかったはずなので、痛々しい痕を洗いながら撫でた。

「多分、ぶつけたんだと思います……。」

「大事な足なんですから、気を付けて。」

宮小路の言葉に永井がきょとんと呆気にとられたように見上げ、次の瞬間には苦笑いをした。

「そんな、もったいぶるような身体じゃありません……」

「永井さんがそう思っていても、私には一大事です。」

「宮小路さんって、変わってます……」

腕の中で永井が小さく笑う。顔は見えなかったが、ほんの僅か、肌から伝ってくる振動でわかった。

出会ってから初めて、肩の力を抜いて笑う永井を見た気がする。堪らない愛しさに抱き締めると、永井が急に身体を硬直させる。

「永井さん?」

「ッ……」

手を腰の前に伸ばして、心当たりのある永井の象徴を掌に握り込む。すると宮小路の予想は的中して、芯を持って控えめに主張していた。

「永井さん、可愛い。期待してくれました?」

「ッ、可愛、く、なん、て……ない、です……」

女を見るような目で可愛いと言っているのではない。この手で包み込みたい衝動に駆られるから、その言葉が一番しっくりくる気がしたのだ。

宮小路の手に焦って身を縮める姿にも、加虐的な欲がふつふつと湧き上がる。もちろん痛みつけようというのではない。身体の隅々までこの手と唇で弄り倒して喘がせたいという欲だ。

「永井さん。緊張しないで、そのまま。気持ち良くなるだけです。」

「あッ、やだ……」

「嫌だなんて言わないで。愛し合うのに、恥ずかしいなんて思う必要はないですよ。私は嬉しいです。」

身動ぐ二人にパチャパチャと水面が跳ねて、泡が弾ける。見ないからこそ、そそられるものがあった。永井の感じる場所を手探りで弄る楽しさに、宮小路は早くも病み付きになる。

「やッ……こうじ、さ……」

「大丈夫。淫らで色っぽい永井さんをたくさん見せてください。」

小振りな下半身を悩ましげに揺らして、刺激を与えるたびに宮小路の腕に縋ってくる。この光景を愛でる自分の心情を簡潔な言葉で表現するのは難しい。

手の中で育っていく象徴は見えないからこそより生々しく感じられる。薄い皮膚をめいいっぱい張らせ、早くも弾けそうになっているので、射精を促すように鈴口を強く撫でた。勝手知ったる同じ男の身体だ。

「あ、もッ……」

「永井さん、大丈夫。このまま身を任せて。」

背後から抱き締めたまま耳元で囁くと、永井が身体を強張らせて呻く。永井の声はバスルームの中で木霊し、よく響いて宮小路を滾らせた。

「うッ、ふぅ……んんッ、ん、うッ……」

永井の腰が引けて、初心な象徴から遠慮がちに湯の中へ極まった証が放たれる。宮小路の手にも幾らか埒をあけて、腕の中で永井が身体を震わせた。呆気なく早い射出に、慣れのない身体だと確信できて、宮小路は感激のあまり強く抱き締める。

「ッ、ごめん、なさい……」

「どうして謝るんです?」

「お湯が、汚れて……」

「あなたの身体はどこもかしこも綺麗ですよ。穢れなんて見当たらない。たくさん出してくださって嬉しいです。」

耳まで赤くして俯いてしまった永井を、抱き上げて湯から脱出する。

「あ……」

「ソープで仕上げをしましょう。ね?」

自分の腰を押し付けるような真似はせず、立たせた永井を後ろから抱擁し、シャワーで髪から順に清めていく。櫛を通す必要性を感じない艶やかで指通りのいい黒髪は、梳いているだけで宮小路の官能を呼び覚ました。下肢を愛撫されているような気分にすらなって、大変悩ましい。

「永井さんの髪をずっと触っていたいくらいです。」

頭部のあちこちにキスを施していると、永井が振り向いて身を預けてくる。普段慎ましい彼であるだけに、甘えてくる仕草は、身体のあちこちが暴発してしまいそうなほど破壊力があった。

「煽らないで永井さん。」

猛る雄々しいものを永井に見せつけるのは、些か躊躇われる。しかし予想に反する永井の積極さは次々と宮小路を襲ってくる。

「私にも……」

永井の手が最初は遠慮がちに、次第に大胆なものへと変わって、宮小路を愛撫してくる。永井にしてみたら洗ってくれたお礼くらいの気持ちかもしれないが、欲望をじっと堪えるのはなかなかの苦行だ。

「ふぅ……ッ……永井さん。悪戯が過ぎると、我慢できなくなります。」

ボディソープと滑らかな白い手が、そそり立って重い宮小路を刺激する。上がり始めた息を永井への口付けで誤魔化し、どうにか紳士的な体裁を保ったままバスルームから脱出した。









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