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とおる亭

*BL小説* 全作品R18です。 閲覧は自己責任でお願いいたします。

百の夜から明けて25

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百の夜から明けて25

「なんだ、自分だって入るんじゃん・・・。」

ベッドで一人、雅人は待ちぼうけを食らって、そわそわと落ち着かない時間を過ごす。相手がシャワーを浴びている時間をこんなに長く感じたことはないと思う。初めて男相手に抱かれた時だって、ここまで心臓は爆音を立ててはいなかった。

ガチャッとバスルームのドアが開いた音に肩が跳ねる。一緒に心臓も跳ねて、雅人は目を瞑って身体をベッドに横たえて丸まった。頭部の血管も忙しなく動いているようで、シーツに押し付けた片耳が波打って緊張を伝えてくる。

目を瞑って背けていても、足音で今藤が近付いてくるのがわかる。ベッドが彼の重みで沈み込んだ時、雅人はなんとか勇気を振り絞って目を開けた。

「なんか、新鮮。」

「・・・なに、が?」

「怖気づいてる甲斐が見られるのは、俺だけかな。」

全く遠慮もなく今藤が覆い被さってきて、雅人は身体が固まらせる。

腰にタオル一枚巻いただけで出てきた今藤の肌が雅人に触れて、しっとりと吸い付くような感触に雅人は喉を鳴らした。

白衣とスーツ、最近知った私服姿。それだけだって十分胸はときめくのに、こんな堂々と生身を晒されてしまったら、構える暇もなく心は掴まれてしまう。

「甲斐」

応える間もなく唇を奪われる。唇から広がった甘い痺れが次々に身体を侵食していって、恥ずかしいのに今藤と合わせた目を離せなくなった。

「俺のいいようにするよ?」

最初から主導権を渡すつもりなどないくせに、と悪態をついたのは心の中だけ。彼の忙しいという言葉を信じて、昨日までの自分は今藤に組み敷かれている自分を想像していなかった。雅人ばかりに構って、仕事は大丈夫なのかと、ほんの少しだけ心配になる。

好きな人に触れられると心が震える。初めてその感覚を知って、身体がいつもより火照るのが早い気がした。

今藤の手が太腿を撫でて、タオルを捲り上げて取り払う。

「ッ・・・」

待ってくれと声を上げたい気持ちを、どうにか堪えてやり過ごす。抱かれる事に慣れがなかったら、それこそ意識でも飛ばしかねないほど緊張していた。

勃ち上がる前を隠すものがなくなって咄嗟に膝を擦り合わせようとする。しかし今藤の身体が膝を割って入ってきて、すぐに雅人の抵抗は阻まれてしまった。

「隠さなくていいだろ。嬉しいよ。」

「ッ!」

やんわりとその硬さを確かめるように今藤の手が雅人の分身を握ってくる。今藤が自身に巻いていたタオルを潔く取り払ったのを見て、直視できずに彼の身体から目をそらす。しかしすぐに今藤の昂りが雅人の太腿に押し付けられたので、見るより生々しく彼を感じてしまった。

「甲斐。こっち見て。」

「・・・ムリ!」

「なんで?」

頭上で今藤がフッと笑みをこぼしたのが気配でわかった。今藤は雅人の応えを待つことなく、首筋に噛みついてくる。

「うわッ、ちょ・・・そこ、痕付けんなよ!」

「いいじゃん。俺のもの。」

意地悪く微笑まれて、そんな彼もカッコいいと思ってしまう自分は相当毒されている。情事を窺わせるものを残したくなどないのに、彼だけは許せる。抵抗しようと動いたものの、大して身体に力は入らなかった。

「わッ、待って・・・そこ・・・ヤダ、今藤ッ!」

胸を大きな掌で撫でられて、今藤の唇が無遠慮に吸い付いてくる。腰から背に走った快感が、雅人の中心を勢いづけていく。しつこく舐め回していく舌の動きに翻弄されて腰が揺れる。圧し掛かられ手をシーツに縫い止められているので自由もきかなかった。

「気持ち良さそう。」

今藤の上機嫌な声を聞いてから雅人の昂りが温かいものに包まれるまで一瞬だった。

「うわッ!」

ビクンッと身体が大きく震えて、雅人は気持ち良さに悶える。今藤の口が雅人を愛でる生々しい音が耳を刺激してくる。今藤の口に迎え入れられて、幾度も擦り上げられるという視覚的な刺激も強烈だった。

「ッ・・・はぁ・・・あッ・・・んッ・・・」

吸われるたびに腰がビクビクと跳ね上がる。何度も経験のある行為なのに、今藤がしているんだと思ったら、それだけで堪らない気持ちになる。ただ身体が気持ち良いわけじゃない。身体の奥底から喜びが湧き上がってきてしまう。

恥ずかしいけれど、心と身体が求めるものに抗えなくて。もっと欲しいと欲望の赴くままに何度も腰を浮かせた。

「はッ・・・あぁ・・・あッ、なんで・・・」

ちゅぽッと音を立てて今藤の口が突然離れていく。

「これ以上したら、イくだろ。」

「・・・。」

「俺も中、挿れさして。」

「ッ・・・。」

今藤の指が秘部を優しく入口を撫でていく。期待するように身体の奥が疼くのを感じて、雅人はゴクリと唾を飲む。

「・・・もう、さっさと来いよ。」

「可愛げないな。もうちょっと強請り方とかあんだろ。」

「俺にそういうもん、求めんな!」

「はいはい、わかったよ。」

恥ずかしくて、つい憎まれ口を叩いてしまう。本当は嬉しくて仕方ないのに、どうにも意地っ張りなこの口は、今藤に歯向かってばかりだ。

しかしそんな雅人の心を見透かすように、今藤が殊勝な笑みを寄越して、彼の長い指が雅人の秘部を撫でた。









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ようやく、ここまで!
往生際の悪い受けを書いてみたくて、私の妄想をこれでもかと詰め込んだ結果、甲斐が出来上がっております(笑)
やっぱり、いちゃいちゃしている二人を書くのは楽しい!と舞い上がりながら、
週末に控えている抜歯を思い出して少し冷静になった月曜日です。
人生初の虫歯。
親知らずだから「抜こうか。」と軽く言われましたが、
今から戦々恐々としております。
あまりに怯え過ぎて、抜歯の翌日は有休取ることに決めました。。。

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