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とおる亭

*BL小説* 全作品R18です。 閲覧は自己責任でお願いいたします。

二人だけの慰労会2

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二人だけの慰労会2

逐一、進の言うことに反応してくる甲斐を横目に、飲まなくても十分気分は良くなる。面白くて、可愛くて堪らないのだ。上機嫌のまま自分の部屋に連れ込むと、飲み会での焦った顔が嘘のように、進に食ってかかってくる。

「おまえ、ホント趣味悪い! バレたらどうすんだよ!!」

「甲斐がトチらなきゃ大丈夫。」

「俺・・・ホントうっかりだから、危ないんだって・・・。」

「知ってる。」

勢いよく拳をぶつけてきたわりに、声に覇気がない。心底疲れたという顔をして、甲斐は進にもたれかかってくる。

「じゃあ、慰めてやるから、風呂入ってこい。」

「なんかムカつく。偉そう。っていうか、全然反省してないだろ。」

「なんだかんだ好きなんだろ?」

甲斐が忘年会で口にした言葉だ。相当居た堪れないらしく、彼の頬や耳は一瞬にして赤く染まった。

「ッ・・・入ってくる!」

悔しそうに進の胸に頭突きを残して、甲斐がバスルームへ消えていく。瞬間湯沸かし器のような顔を見送って、進は自分のネクタイを解いた。


 * * *


今夜は二人とも感度がいい。仕事から解放されて、幾分浮かれているのはお互い様だと思う。

「あ、もッ・・・やだ・・・イ、きた・・・こん、ど・・・」

高めて焦らすことを繰り返す。甲斐の目尻から滴が落ちるのを眺めて、進は己の征服欲が満たされていくのを感じる。

「んッ・・・や・・・も、ホン、ト・・・性格、悪いッ!」

ついに甲斐が音を上げて、進の下で暴れ出す。付き合って一年近く。彼がしおらしく最後まで抱かれたことはない。いつも必ずどこかで悪態をついてくる。ただ悪態をつきたくなるほどしつこく抱いている自覚はあるので、彼の抗議は甘んじて受け入れる。けれどそれで手加減するかというと、それはまた別の問題だ。

「イヤじゃないだろ?」

「もう、ムリって、言ってんじゃん!」

「ッ・・・甲斐が叫ぶと、ココ、締まって気持ちいい。」

「くたば、れ・・・。」

甲斐が足でしっかりと進の腰をホールドしてきて勝手に事を進めようとする。甲斐も必死らしく逃れようと試みたものの簡単に引き剥がすことはできない。

「こ、んど・・・ッ・・・きもちい?」

「バカ。イく・・・」

絡みついてくる内部の熱さに、進は息を詰める。自分のペースで動いていれば制御もできるが、誘われて締め上げられれば堪えることは容易ではない。そして一度本腰を入れて突き上げ始めれば止まることなどできはしない。

「甲斐・・・出、そう・・・」

「さっさ、と・・・イけ・・・ッ」

甲斐の減らず口を唇で塞ぐ。強引に彼を封じ込めることに快感をおぼえる自分は変わっているだろうか。我慢も限界で最奥めがけて強く突き上げると、甲斐の身体が大きく震えた。

「んッ、ん・・・ふぅ・・・うッ・・・」

口を塞がれて声を上げることが叶わない甲斐は、何度も喉の奥で呻く。蜜を放った甲斐から最後の一滴まで残らず出させようと扱き続けると、秘部が進を容赦なく締め付けてくる。進は堪えることも叶わずに、誘われるまま熱情を奥へ放った。

虐める趣味はなかったはず。しかし自分の中にも奥深くに隠れていたんだろう。嗜虐性をくすぐられるようで、甲斐が涙を溢してやめろと縋ってくるまでやめられない時もある。本気で好きになった奴を抱くと、自分はこんなにも人が変わるのだと実感させられてばかりだ。冷静でいられたのは本気ではない相手と戯れていたから。今は勝手が違う。

「甲斐、大丈夫?」

震える彼が大丈夫だとはとても思えないが、今夜は杞憂だったらしい。慣れとは怖いもので、甲斐はこの激しい情事に耐性ができつつあるように思える。甲斐は目を薄っすら開いて、呆れたように進を見た。

「おまえと・・・」

「ん?」

「温泉行ったら、死にそう・・・。」

「温泉?」

「個室だし・・・。」

何の話か目で問うと、甲斐が大きく息を吐き出して呼吸を正してから話を切り出してきた。

「実家、二人とも帰らないじゃん? 温泉行こう。もう予約取っちゃった。」

気恥ずかしいのか甲斐がスッと目を逸らす。

思い立ったら行動が早い甲斐らしい。どこがいいかとグダグダ悩むこともなく、ちゃっかり予約まで取り付けてから誘うところも、照れたように視線を合わせないのも、全てが彼らしい愛おしさだ。可愛いと言った日には殴られるだろうから言わないけれど、進は甲斐の機嫌を窺いながら抱き締めて了承の旨を伝える。

「草津で良かった?」

今さら心配そうに尋ねてくることがおかしくて、心の中で笑う。

甲斐と過ごせるなら別にどこだって構わないけれど、さすがにどこでもいいなんて言ってしまったら情緒がない。

「雪見風呂できるし、最高だな。」

「だろ?」

褒められたのが嬉しいのだろう。泳いでいた目がようやく落ち着いて、得意気な顔になる。ここで笑ったら、せっかく彼を持ち上げたのが無駄になる。進は必死に笑いを堪えて、彼のサプライズを有難く受け取ることにした。









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来年、冬が終わる前に行けたら・・・と思うのですが、仕事がどうなることやら・・・。
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