忍者ブログ

とおる亭

*BL小説* 全作品R18です。 閲覧は自己責任でお願いいたします。

それぞれのお荷物事情【三島紳助×保坂恵一の場合】

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

それぞれのお荷物事情【三島紳助×保坂恵一の場合】

スタジオ入りした朝、マネージャーの岡前に突き出された一つの小さな箱に恵一は首を傾げる。これは何だと視線で問い掛けると、見てみなさいとだけ言われて渡される。海外から送られてきたように見える小包の送り主は紳助だった。

何故自宅ではなく事務所宛に彼は送ったのだろう。紳助は今現在、仕事の関係でドイツへ出掛けていた。建築を生業とする世界各国の同年代が集まり、セッションをするらしい。先端の建築資材や建築デザインの可能性に関して討論するという。興味本位で聞いてみたら専門的で、とても自分の頭では理解できそうにない。ざっくり話を聞き流し、事故と体調だけには気を付けてと、先日家から送り出した。

明けた中身はハンドクリームやらリップクリームやら、スキンケアアイテムがぎっちり入っていた。

「そういえば、ドイツって、オーガニックコスメの宝庫だよね・・・。」

「センスの良い恋人をお持ちで。」

頭上から岡前にサラリと揶揄われて、恵一は俯く。

「手紙とか入ってないの?」

「手紙・・・。」

岡前から指摘されてゴソゴソと中を探ってみると、有名な市庁舎のクリスマスイルミネーションを写したカードが、箱の底から顔を出した。ひっくり返して記されていた言葉に、恵一は赤面する。岡前は笑いを堪えもせず、咳払いもひとつ加えた。

「気障な恋人だね。」

「絶対、わざとだし・・・。」



“Dear K,

I spend every moment day & night thinking about YOU.

With All My Love,
SHINSUKE”



「岡前さん」

「うん?」

「なんか・・・」

「え?」

「なんかない?」

「なんか、って?」

「やられっぱなしじゃ、ムカつく・・・。」

人前で恥ずかしがって赤面する恵一を、わかって書いたような言葉。どう考えても、確信犯。

「そういうのは自分で考えないと、フェアじゃないでしょ。」

「・・・。」

ポストカードを少し乱暴に小包の中へ戻して立ち上がる。

「ちょっと・・・お手洗い行ってきます。」

「いってらっしゃい。」

クスッと岡前に笑われたことも居た堪れない。しかし立ち上がらずにはいられなかった。

今日も、恋人に振り回される恵一の一日が始まった。







-----------------------------------------------
(ケイへ。昼も夜も、おまえのことばっかり考えてる。愛を込めて、紳助。)
粘着質に心酔している恋人とか芸能人に向けて送る言葉として、はたして正しい表現なのか、ちょっとよくわかりません(笑)

どなたかわかる人、こっそりでも、堂々とでも、ご指南ください。判明次第、差し替えます(笑)

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村
B L ♂ U N I O N


Twitter
@AsagiriToru
朝霧とおる
PR

コメント

プロフィール

HN:
朝霧とおる
性別:
非公開

P R

フリーエリア