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とおる亭

*BL小説* 全作品R18です。 閲覧は自己責任でお願いいたします。

この手を取るなら48

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この手を取るなら48

紳助が諭して聞かせてくる言葉の半分も呑み込めなかったけれど、紳助の優しい腕に抱き締められて、彼が大切にしてくれているのだとわかる。

柔らかい弾力のある唇が幾度も恵一の唇を食む。髪をゆっくりと梳いてくれる紳助の指の感触も心地良い。

「ふッ・・・ん・・・んッ・・・」

紳助の胸に手を当ててみると、彼の鼓動が手を伝って響いてくる。恵一と同じように少し早く打つ鼓動が嬉しい。

紳助も欲しいと思ってくれている。その事をもっと実感したくて、キスを繰り返しながら、手を下腹部の方へ下げていくと、期待していたものに当たった。

「ッ・・・」

恵一の手が紳助の昂ぶる分身を包む。すると紳助の身体が少し震えて、彼が息を詰めた。

手の中でみるみる質量を増す紳助の反応が嬉しい。そんな恵一に仕返しをするように紳助も恵一の分身に触れてくる。

「ぁ・・・んッ・・・」

すでに勃ち上がっていたものは容易く先端から蜜を溢す。

息をするのが苦しい。気持ちが高まって乱れる息をなんとか整えようとするけれど、次から次へと施される愛撫がそれを難しくさせた。

「・・・んッ・・・や・・・あ・・・」

「イヤ?」

意地の悪い笑みを浮かべて尋ねてくる紳助に、必死に顔を横へ振る。

気持ち良いから止めてほしくない。ただ駆け上っていく身体に焦って、意味を成さない言葉が口から漏れ出てしまうだけだから。

紳助の分身から手を離す。もう彼の硬茎を愛でる余裕はなくて、キスを続けながら紳助の首に手を回して、必死にしがみ付く。

紳助が与えてくれる器用な手の愛撫だけで達してしまいそうになる。それを感じ取ったらしい紳助が張り詰める恵一の分身を強く扱き始めた。

ほら、やっぱりわかっているじゃないか、と回らない頭で思う。紳助は恵一の何もかも見通したように、欲しいものを絶妙なタイミングでくれる。

「ッ・・・や・・・イ、くッ・・・あ・・・あぁ・・・」

「恵一、気持ち良い?」

「ん、い・・・きもち、い・・・ッ、あ・・・ダメ・・・」

「ダメじゃないだろ? こんな濡らして。」

「あ、イく・・・い、い? あ・・・」

頭の中が白くなっていく。何もない。身体がバラバラになってしまいそうなほど、意識が四方へ散っていく。

目がチカチカして、身体が強張った瞬間、憶えのある絶頂の波にさらわれる。

「ッ・・・ああぁ・・・あ・・・あ・・・ん・・・」

温かいものが腹部や胸部を濡らす。熱を放出した分身に絡まる紳助の手も、いつの間にか白濁の蜜を纏っていた。

その光景を呆然と見ながら嬉しいと思ってしまう。だって紳助も満足そうな顔をしているから。

「もっと・・・」

紳助の首に回したままの腕に力を入れて、この後の行為を強請る。紳助の手が秘部へ伸びてきたので、息を吐き出して力を抜いた。

「上手。」

そのまま中へ潜り込んできた指の感触に身体が疼いて、もどかしい気分になる。もっと苦しくなるくらいが丁度いいのに。

早く紳助の硬茎で満たしてほしくて、彼の揺れる分身を見ていると、咎められるように紳助がキスをしてくる。

「おまえが痛くなるようなことはダメ。」

心が読めないなんて嘘だ。こちらが欲しいものを手に取るようにわかっているくせに。

「睨んでもダメ。もうちょっと我慢な?」

紳助の指が、気が昂ぶる一点を突く。全身に痺れが走って悶えているところに、何度もそれを繰り返されて、抗議する間もなく喘がされる。

「あ、あぁ・・・ッ・・・ん・・・ぁ・・・」

これをされると一切抵抗ができなくなる。身体が言うことを聞かなくなって、気が触れそうなほど全身に快感が巡っていくのだ。

過ぎた快感は苦しい。でももっと欲しくなる。そんな不思議な感覚を教えてくれた紳助に、いつも通り溶かされていく。

「・・・ん・・・ふぅ・・・あ・・・ん、すけ・・・」

紳助は自分をずっと見下ろして眺めている。一瞬たりとも見逃さないと言わんばかりに彼の熱い視線を感じる。

ずっと離さないで見ていて欲しい。喘いでみっともなくても、紳助は軽蔑したりしない。満ち足りた顔で見てくれることを自分は知っている。

もう何度も身体を明け渡してきて、そこだけは確信を持てる。この男は一度も裏切った事がないから。

「しんッ、す、け・・・」

「気持ち良い?」

「あ・・・い、い・・・ッ・・・」

紳助の指が去っていく。すぐに紳助の硬茎の先が秘部を添えられたので、泣きたくなるくらい心が震える。

「ゴム、しちゃった?」

今日は直接感じたいと暗に言えば、紳助が苦笑する。

「腹壊しても知らねぇぞ。」

「それでも、いい。お願い・・・」

紳助が一度纏ったゴムを取り払って、ローションで濡らした硬茎を充てがってくる。ゆっくり入ってきた紳助も気持ち良さそうだった。いつもより衝動を堪えるような顔をして、眉を寄せた少し苦しそうな顔に見惚れる。

「きも、ち、い?」

お腹が苦しくて、息も絶え絶えになりながら、紳助に尋ねる。

困ったような紳助の顔。いつも飄々としている彼だから、滅多にこんな顔は見せない。紳助にこんな顔をさせられるのは自分だけだといい。もっと困らせたい。そう思って身体が力んで後孔が締まった瞬間、紳助が息を詰める。

「恵一・・・」

そう言ったきり荒い息をして思い詰めたような顔をしていた紳助が、恵一の両手を掴んでシーツに縫い止めてくる。

「あッ・・・しんッ・・・あ・・・」

紳助が腰を揺らし始めたのと同時に、彼の分身が恵一の中を擦り始める。ゆっくりとした抽送がもどかしくて恵一の方から腰を浮かせると、自分の誘いに乗った紳助が徐々に激しい腰使いに変わっていく。

必死にしがみ付いて揺さぶられる。取り憑かれたように求めてくれることが嬉しかった。いつも紳助は余裕のある顔だから、自分だけ翻弄されるのは悲しい。時々は二人で狂ったように求め合いたい。

「ッ・・・」

「・・・ん、すけ・・・あ・・・」

好きだ、と思うたびに、何かが弾け飛びそうになる。考えようとしてもすぐに気持ち良さで胸がいっぱいになってわからなくなる。

「ぁ、イくッ・・・しん、すけッ・・・」

紳助の先端が奥深くを抉って、快感が背筋を通るたびに涙が溢れる。

「あ、ぁ、ダメッ・・・ッ、あぁッ・・・あ・・・」

「んッ・・・く・・・」

恵一が達した瞬間、紳助が頭上で小さく呻いて、彼の荒い息が首元にたくさん落ちてくる。紳助も気持ち良くなってくれたのだと思ったら、なんだか泣けてしまう。

止まらなくなった涙もそのままに絶頂を噛み締めながら紳助にしがみ付いていると、あやすようにそっと彼が抱き締めてきた。

少し心配そうな顔で覗き込んできたので、必死に首を横へ振った。

違う、悲しいわけじゃない。嬉しさで気持ちが高ぶっているだけだと伝えたいのに、何も言葉が出てこない。

「恵一、わかったから、落ち着け。な?」

「・・・ん。」

紳助が恵一の頬にたくさんキスを贈ってくる。紳助のものだってわかるくらい、もっとたくさんキスが欲しい。

強請らなくても紳助には伝わったようで、それから飽きるほどたくさんのキスをくれた。















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