勝田とただ肌が触れ合っているだけで欲望が弾けてしまいそうだった。
勝田の狭い秘部にゆっくりと指を滑らせる。最初は顔を顰めた勝田だったが、兆したままの彼の分身を見れば、徐々に気が昂ぶってきたのがわかる。
互いの唇を貪りながら、長い時間をかけて身体を開いていく。勢いだけですれば心が置いてきぼりになる。少しずつ彼の心ごと溶かして明け渡してもらえるように、皐は勝田の身体を急がず愛撫していく。
だらしなく自身の先端から先走りが溢れていく。直接的な刺激など無用なほど、反り返って、彼を欲しがる分身を手で摩っては宥める。
「いいよ、挿れても。」
皐が今にも弾けそうな状態なのは、勝田の目から見ても明らかなんだろう。誤魔化すように唇を奪いにいって、彼の視界に皐の分身が入らないようにした。
「ダメです。そういう乱暴な事はしたくない。」
勝田は行為そのものには慣れているけれど、なかなか開いていかない秘部が、人と交わる事を避けていたと物語っている。
優しくしたい。再び人と交わる心地良さを知ったら、勝田はフラフラと彷徨いそうだから。皐以外に抱かれたいと彼が思う隙を与えないように、優しさで溶かして羽交い締めにしたい。
「香月くん・・・挿れてよ。」
君の熱を感じさせて、と勝田が悪魔の囁きを寄越す。分身がさらに硬く膨張し、痛いほどだった。
「ッ・・・」
勝田が挿入を急かすように皐の硬茎を扱いたので、これ以上耐えることはできなくなった。
ゴムのパッケージを開けて、手早く付ける。纏わり付く感覚も気にならないほど、意識は勝田の方へ向いていた。
皐は自分の分身に手を添えて、彼の秘部に反り返ったモノを充てがう。息を詰めた皐とは逆に、勝田は全身の力を抜いて息を吐き出した。
向かい合ったままグッと体重をかけて、勝田の中に分身を埋め込んでいく。この体勢は受け身に負担が掛かる。けれど彼自身が向かい合って一つになることを望んだから、皐も止めたりはしなかった。
「・・・ぁ・・・ッ」
眩暈を覚えるほどの快感に浅く早く息をして、何とか気を逸らす。一方の勝田は少し苦しそうだった。
「勝田さん・・・大丈夫、ですか?」
「・・・いっぱいで、苦し・・・」
口では苦しいと言いながら、しがみつくように皐の背に腕を回してくる。二人で荒い呼吸を繰り返しながら、互いの身体に馴染むまで、キスを繰り返す。触れ合った肌は汗ばんでいた。
「動いていいよ。辛いでしょ?」
内壁が勝田の呼吸に合わせて蠢く。陰茎に与えられる刺激が生々しくて、頭が焼け切れそうだった。辛いと言われれば辛い。でもそんな事は気にならないほど、繋がった事が嬉しかった。傷付けたくはない。優しく抱いて、この人を溶かしたい。
苦しくて声が出ず、首だけ横へ振って勝田をそっと抱き締めた。
「香月くん・・・そんな優しくされたら、好きになる・・・」
「好きに、なって・・・」
好きになってくれるなら、互いの体温を確かめるたびに遠慮をする必要はない。堂々と抱き寄せて、求め合える。
「大切にします。あなたが、いつもここへ帰って来たくなるように・・・」
「そんな事言って、先に死んだら許さないよ。」
「勝田さん・・・」
「ウソ。冗談。わかってる、そんなの・・・どうしようもない・・・」
わかってると言いながら、声が微かに震えていた。顔を窺い見ると、涙こそなかったけれど、今にも泣きそうな顔だった。
「一緒にいて・・・生きてる間だけで良いから・・・」
「もちろんです。」
二人で顔を見合わせて、すぐに目を閉じて口付けを交わした。優しいキスではなくて、貪るような深く激しい口付け。
どちらからともなく腰を揺らめかせて、快感の渦に呑まれていった。
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朝霧とおる