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とおる亭

*BL小説* 全作品R18です。 閲覧は自己責任でお願いいたします。

先生6

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先生6

要の顔を覗き込んで様子を窺ってくる。指で秘部をノックした後、するりと和泉の長い指が滑り込んできた。

どんなに好きでも、どれだけ身体を重ねても、微かに指を押し戻そうとする感覚が必ずある。男は本来受け身になる身体ではない。でもこの人にだけは身体を明け渡せる。貪られる事を心地良いとすら思うのだ。

ローションが足されて粘着質な音が耳に届く。段々和泉の指の動きが大胆になっていき、差し込む指が増える。するとまた緩やかな動きに変わり、長い穏やかな愛撫が始まった。

息を上げて前戯を受け入れる要を、和泉の優しい目が嬉しそうに眺めてくる。その瞳を見ているだけで身体に熱が宿る。下半身に生まれくる疼きが、愛しい人に触れたい衝動に変わった。

身体を起こして和泉のいきり勃つモノを口に含む。口の中で途端に容積を増やした和泉の分身を舌で舐め回しては吸い付き、口全体で愛撫する。

「・・・積極的なおまえも、いいね。」

見上げると、色を含んだ目が見つめ返してくる。皮膚の薄い部分を唇で擦り上げると、和泉が頭上で荒い息を上げた。その反応が嬉しくて、何度も口内で吸い上げる。すると肩を押しやられて口から和泉の分身が離れていく。

「ッ、悪い子だ。自分で入れてごらん、要。」

和泉の言葉に促されるまま、彼の上に跨って、和泉の熱塊に手を添える。自分の秘部に彼の分身を導くと、入り口が物欲しそうに蠢いた。

「あ、ぁ・・・」

要は自ら腰を落として、和泉の分身を受け入れる。押し入ってくる塊は熱く凶暴だ。詰めそうになってしまう息をなんとか吐き出しながら、力を抜いて彼の全てを己に埋めていく。

もう数え切れないくらい繰り返してきた行為。けれど繋がるこの瞬間は鳥肌が立つほど、恐怖と歓喜が同時に襲ってくる。何にも例えようない感覚が這い上がってくるのだ。和泉に蹂躙され支配される。それが嬉しくて仕方がない。

「要、自分の気持ちが良いように動いてごらん。」

一度だけ誘うように突き上げられて、それを合図に腰を上げては落とすことを繰り返す。次第に和泉の出っ張った先端が良いところを強く擦り当てて、要は堪らず声を上げる。

「あぁ・・・ん・・・あ・・・ッ・・・」

「乱れて、色っぽくて、最高だな・・・。要、もっとだ。もっと深く・・・ッ」

「あッ・・・」

和泉が要の腰に手を回して体重をかけ、要が落とした腰をさらに深くまで落としにかかる。そして和泉はベッドのスプリングの反動を使って、下から突き上げてきた。

「あ、ダメ、たつや、さ・・・イっちゃう・・・」

急に激しくなった行為に頭がついていかない。気持ち良過ぎて頭が沸騰してしまいそうだ。

張り詰めた先端からは先走りの蜜が際限なく溢れてくる。自分の前に手を伸ばそうとしたら、和泉が手でそれを阻んだ。

「要、後ろだけでイってごらん。ほらッ。」

促してくる和泉の声も掠れている。その情欲に濡れた声が、腰に響いて、もう何がなんだかわからなくなる。

下から何度も大きく突き上げられて、あられもない声が自分の口から溢れ出る。けれどそんな事を気にする余裕はすでになく、和泉が与えてくる刺激をダイレクトに受けて喘いだ。

「あ、も、ダメ・・・たつや、さッ・・・まっ、て・・・」

「ほら、イって、いいよ。」

一緒に極まりたいのに、もう限界がそこまで来ている。容赦なく攻め立てられて、突き上げられるリズムと呼吸のタイミングをわざとズラす。けれど和泉が胸の飾りを丁寧に舐め上げ吸い付き、要をさらに追い立てた。総毛立つ感覚に襲われ、もう我慢をすることは叶わなかった。

「あ、イく・・・ん、んッ、ッ」

突き上げられるリズムそのままに白濁の蜜が四方に飛び散っていく。身体が強張ったのは一瞬。すぐに弛緩していき和泉に思うままに揺さぶられる。

「くッ・・・」

和泉が低く呻いて激しい突き上げが止まると、要はぐったりと和泉に身体を預けた。強い快感に視界がチカチカと光る。和泉が要を抱き締めて、ベッドへ身体を横たえる。二人で荒い息を上げて、しばし呆然とする。

和泉が要の頬を愛しげに撫で始めて、ようやく情事の余韻を楽しむくらいに、心臓の音が落ち着いた。

「要、俺はね、おまえが可愛くて仕方がないよ。」

気怠げで、普段より少し低い落ち着いた声が色っぽい。甘い言葉に骨の髄まで溶けそうになる。

「達也さん・・・好き・・・」

わかってると言いたげに、和泉が微笑む。

こんなに通じ合い、溶け合って、求め合える相手がいる。自分は幸せ者だ。誰かにこの関係を否定されてしまっても、今の自分なら胸を張っていられる。そう思えるくらいには、病みかけていた気持ちが落ち着いた。

身体だけでも心だけでも駄目なのだ。どちらも満ち足りていることが、今の弱い自分には必要だった。

「ッ・・・」

和泉の萎えた分身が、要の身体から去っていく。生々しく感じるのは、彼の放ったものが腿を伝ったからだろう。

「要は俺のものだよ。」

「達也さんは?」

「俺もおまえのものだ。」

「うん・・・」

この人は自分が欲している時に欲しい言葉を与えてくれる。愛情を注いで甘やかして抱き締めてくれる。この人を手放さなくてはならない日が来るなんて、考えたくもない。

「達也さんは、俺のもの・・・」

「そう、おまえのもの。身体も心も・・・全部だよ、要。」

「うん」

「大丈夫。」

和泉は、要が傷付いている理由も、それを乗り越えようと必死に足掻いていることも知っている。そして足りない分を補うために、いつだって背中を押してくれる。見守ってくれる。繰り返し大丈夫だと囁く。だからもう、大丈夫。この人が大丈夫だと言うなら、どんな事も自分はちゃんと乗り越えていける。

「要、ずっとそばにいろ。勝手に離れていったら、許さない。」

優しい笑みを湛えて、怖い事を言う。何度も呪文をかけて、和泉の言葉が自分に染み込んでいく。けれどその束縛は要にとっては心地良い鎖だ。

和泉が要の顎を掬い上げて唇を奪う。穏やかな触れるだけのキス。互いに気の済むまで口付けを交わし合った。














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