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とおる亭

*BL小説* 全作品R18です。 閲覧は自己責任でお願いいたします。

先生13

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先生13

美味しそうな匂いに目が覚める。要がキッチンに立っているのだろうと合点して、胸いっぱいに心地良い目覚めの空気を吸い込んで伸びをした。

こういうスッキリと目覚めた朝は要をこねくり回して、あわよくば身体を重ねたい。しかし生憎彼が隣りにいないので、それも叶わない。

何とか彼をこちらに呼び寄せようと画策して、ごくシンプルに彼の名を呼んだ。

「要」

声を張り上げなくても要は気付く。和泉の声に敏感なのだ。それが和泉の独占欲を満たしていることを要は知る由もないだろう。

「達也さん?」

案の定、要は和泉の声に反応して、キッチンから寝室へとやってきた。バターの香りを纏った要がベッド脇に立つ。それを内心ほくそ笑んで彼の腕を掴む。しかし全く警戒心がないので、あっという間に和泉の上へと倒れ込んできた。驚いた顔をしたのは、和泉が完全に要を捕えた後だ。

「た、達也さんッ」

「要、付き合って。」

「えッ、ちょっと、達也さ・・・ッ」

要が慌てふためいている間に、唇を奪って組み敷く。なんとも言えない充足感を覚える。

好きな相手に欲情するのは健全な証拠だ。朝の生理現象と込み上げてきた熱情が、和泉の前を勃ち上がらせる。

「あ、もう、なんで・・・」

少し荒々しく交わした口付けに、要は息を上げて非難の声を上げる。しかしその瞳はすでに潤んでいて説得力はない。

「なんでもなにも、おまえが好きだからこうなってる。」

密着した身体をさらに押し付けて、和泉の反応を感じ取ったらしい要は、拗ねたような顔で僅かに抗議してくる。

「せっかくスクランブルエッグ作ったのに・・・」

「後でいただくよ。」

「あったかいうちがいい・・・」

「おまえをいただくのが先。」

「・・・。」

黙り込んだ要の耳は赤い。要は恥ずかしくなると、どこよりも先に耳が赤くなる。一緒に歳を重ねて、誰よりも側にいる。一つひとつ要の事を知っていき、今となっては誰よりも要を知っているはずだ。

こんな欲を掻き立てられる顔も、和泉の前でしかしないはず。むしろ他でされたら、たまったもんじゃない。要のこの顔を知るのは自分だけでいい。

和泉は大人しく収まった要に満足し、首筋に一つ口付けを落とす。ただのじゃれ合いではなく、セックスをする合図。別に決まり事ではないけれど、二人の間では暗黙の了解だ。

要のエプロンを取り払い、手早く他に身に付けているものを器用に剥ぎ取っていく。夜とは違い、さらりとした張りの良い健康的な肌。血色の良さに惹かれて肌の表面に透き通る太い血管を辿るように舌を這わせていく。

互いに何も纏わず肌を合わせていれば、反応は一目瞭然だ。要の肌を舌で舐め上げていくたびに、彼の陰茎が順調に硬く反っていく。

「ぁ・・・」

ある程度身体が火照ってくると、男はすぐに直接的な刺激が欲しくなる生き物だ。和泉がしつこく要の身体を弄っていると、要が無意識に自分の硬茎に手を伸ばそうとする。

「要、ダメだよ。もうちょっと、おまえの身体を愉しませて。」

言葉にせずとも、要の目が酷いと訴えかけてくる。けれど和泉は微笑みだけ返し、自分の手で要の手をシーツに縫い止めた。

和泉は飽きずに要の肌を舌で愛撫する。意地悪をして、そそり勃つ陰茎を避け、太腿の血管を辿るように刺激すれば、要から小さい悲鳴が上がった。

「あッ、ぁ・・・」

要の腰が小さく跳ねて、しっかり勃ち上がった硬茎が和泉の目線の上で物欲しげに揺れる。ぷくりと目の前で透明な蜜が先端の口から溢れてきて、要の顔を見ると潤んだ瞳が恨めしそうに和泉を見据えていた。

自分は要に甘いと思う。けれど甘やかしたくて、彼の溶ける顔が見たくて身体を合わせるのだから、これでいい。

わざと要の硬茎に息を吹きかけるように深呼吸をする。途端に震えたそれを迷わず口にすっぽりと含んだ。

「あッ、達也さ・・・」

要の口から甘い声が上がるたびに、自分も煽られていく。要の嬌声に合わせて、自らの硬茎に手を伸ばして刺激する。堪らない快感に、脳が焼き付けそうになるけれど、自分たちは更なる高みを知っている。何度も飽きずに繰り返し、そうやって身体を合わせてきた。

「ぅ・・・」

和泉が口の中でビクビク震えだした要の硬茎を口から離す。どうして、と問うように要が自分の方を見てくるが、和泉は微笑みだけ返す。

今日は休日。じわじわと追い上げて、よがらせて、一緒に高みを目指したい。序盤から吐精させてしまうと、要が早々に根を上げてしまう。

「要、ゆっくりしようか。」

「やだ。イジワルしないでよ・・・」

快感で潤んだ要の瞳。和泉は目尻に口付けて、今度は二人の陰茎を擦り合わせる。確かな刺激を拾おうと、要が腰を浮かせてくる。堪らない痴態に、満たされた気持ちで要を眺める。彼が自分のものかと思うと、より一層満たされた。

腰を一旦休めて秘部へ指を伸ばすと、まだ濡れていないそこは指を押し返してくる。しかし指を抜いた途端にヒクッと蠢いた。和泉の分身を何度も受け入れてきたそこは、次の刺激を待っているのだ。

ローションを手の体温に馴染ませて、指を滑り込ませる。今度は抵抗なく要の身体は和泉の指を迎え入れた。

最初はゆっくりと、次第に速度を速めて慣らしていくと、完全に要の身体から力が抜けていく。
この一連の過程が堪らない。警戒心の強い要が自分を信頼し、身体を明け渡す。彼は他との経験はあっても、受け身を許すのは自分にだけだ。

和泉は自分の硬い分身を後孔に充てがい、期待に満ちる瞳で自分を見る要に、満足げに微笑み返した。













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