和希の指が遠慮がちに秘部へと伸ばされる。手を進めたその先は固く閉じていた。和希が目の前でローションを掌の温度に馴染ませて、そっと塗り込めていく。
「優希、力抜ける?」
覆い被さる和希の温もりが肌を伝ってきて心地いい。和希の指は秘部を撫でて力が抜けるタイミングを見計らっていた。そういうちょっとした行為に愛情が感じられて嬉しい。
「ぁ・・・」
進んできた指に微かな声を上げる。少しの変化も見逃すまいと窺ってくる。指はするりと中に入っていき、ゆっくりと中を解きほぐしていく。
身体に負担が少ない方がいいと、和希がうつ伏せになることを提案してきたけれど、顔が見えないから嫌だと駄々を捏ねる。困った顔をしながら、それでも最後はこちらの言う通りにしてくれた。
「はぁ・・・あッ、あ・・・」
指で挿入を繰り返すのと同時に、和希がしつこいくらい腰の前で主張する昂りにも愛撫を施してくる。嵩のある和希のもので思い切り貫いて欲しいのに、なかなかそれをくれない。秘部は優希の気持ちと同調して物欲しげに蠢き始めた。
「も、挿れて。和希・・・」
背にぞくりと快感が走って、実った前から蜜が溢れた。
「まだ、無理だよ。もうちょっと我慢して。」
「ヤダ、おねがい・・・ぁ・・・あぁ・・・」
「今挿れたら、痛い思いするの優希だよ?」
「いいから・・・もう、ほしいッ・・・」
こんなに欲しいのにくれないなんて拷問に近い。気持ち良いのに物足りない。痛いくらいで丁度良いとさえ思えた。和希を全身で感じられるなら、何だって耐えられる。怒りに似た感情をそのまま和希にぶつけると、苦笑しながらも愛おしげに抱き締めてくれた。
我慢できなくなるのは、いつも自分の方。欲しくて堪らなくて、和希の全てを取り込みたくなる。和希をなんとか諭しこもうと必死で、昔も今もきっと和希を困らせている。けれどこの衝動だけは一度溢れ出したらどうしても止まらなかった。
「優希、好きだよ。ずっと、ずっとこうしたかった。」
和希が硬く反った先端を後孔にぴたりと添えてくる。身体が期待に満ちて、憶えのある衝撃を交わすために、身体の力を抜く。長く身体を重ねていなくても、その感覚を身体は忘れていないらしい。肺に溜まった息を吐き出して、全身から力を抜いていく。
「かず、き・・・ん・・・ぁ・・・」
タイミングを見計らって和希が腰を進めてくると、想像以上に生々しく和希の熱を感じた。痛い思いをすると脅された割には秘部は和希を拒絶せず、遅い歩みに合わせて和希の形に沿って内部が蠢き和希のものが馴染む。
全て入りきったところで、和希の腰に足を絡めてしがみ付く。これ以上近付くことができないほど密着して、欲しかった和希の温もりを全身で感じ取る。その仕草に刺激されたのか、中で和希のものがより硬さを増して膨らむのがわかった。
「ぁ・・・」
「かずき・・・きもちぃ?」
「・・・うん。」
仕草でキスを強請ると、すぐに察して口付けてくれる。繋がりがより深くなって、優希の締め付けに誘われるように和希が腰を揺すり始めた。もう後は一緒に溶け合って、ひたすら快感を追うだけだ。
「あ、あぁ・・・ん、んぅ・・・あぁ、あッ」
「優希、優希ッ・・・」
名を呼ばれるたびに、身体が熱くなる。合わせた手に和希の体重を受けて、身体を重ねている実感が湧いた。幸せで、胸がいっぱいになって苦しくなる。自分の喘ぎ声もどこか遠く感じて、頭も朦朧とした。
「優希も、したかった?」
耳に注がれた和希の声に、必死になって頷く。それを合図に和希が腰を抱え上げて、強く激しい挿入に変わる。
「あ、かず・・・ん、ん・・・はげしッ・・・あ、ああ、ぁ・・・」
「優希、呼んで。俺のこと、呼んで・・・」
「んッ・・・かず、き・・・かずきッ・・・」
名前を呼ぶたびに速く激しい動きになっていき、二人の腹部に擦られた優希の硬茎からは次から次へと蜜が溢れていく。達しそうなのにイけない。昔から後ろだけでイくのは苦手で、前に刺激が欲しくなる。
「かずきッ・・・」
和希に訴えてもすぐには触れてくれない。快感が過ぎて気が付いたら目尻には涙が溜まっていた。
「もうちょっと、な?」
「かず、き・・・いじわるッ・・・」
耐えられなくて自分で前に手を回そうとすると、すかさず捕らえられてシーツに縫い止められる。
「ッ・・・ひど、い・・・かずきッ」
ベッドの軋む音を意識の遠くで聞きながら、されるがままに揺さぶられる。その時間がやけに長く感じられた。
「・・・ぁ、イくッ・・・」
和希の呟くような声を聞いて、ようやく終わりが見えた事にホッとする。そして急にやってきた強い刺激に目眩がした。
「あぁッ、あ・・・ん、んッ・・・ああぁ」
射精を促すように確かな意図を持って扱かれ、あっという間に白濁の蜜が迸る。和希も続くように呻いて、奥に熱を放った。達しても前への刺激を止めてくれないので、ずっと絶頂を味わっているような感覚で意識が飛びそうになる。
「かず、き・・・」
震えながら和希に訴えると、ようやく前から手を離して、包み込むように抱き締めてくれる。ホッとして全身から力が抜けると、結局優希はそのまま意識も手放した。
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朝霧とおる
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