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とおる亭

*BL小説* 全作品R18です。 閲覧は自己責任でお願いいたします。

瑠璃色の王と星の子【ある日の昼】

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コメント

1. 無題

とおるさん、こんにちは。
早々に公開してくださって、ありがとうございます!嬉し過ぎて小躍りしちゃいそうな勢いで読みまくっています\(^o^)/

星の宮・・紫苑・・凜・・名前がとても綺麗でうっとり(*´˘`*)♡"
ひたすらイチャイチャですか(笑)望むところですw

波乱万丈もハラハラどきどきで盛り上がりますが、年取ってくると、あまりの激しい展開は心臓に負担が(笑)ゼェハァ(´Д`)
穏やかに二人でずっとラブラブっていうお話が心が幸せになって、何より体にも優しくて好きです(笑)

毎日、午前と夜にとおるさんの作品が読めるなんて、すっごい贅沢!本当にありがとうございます(๑^᎑^๑)

今夜は、身体がおかしくなった今藤にガッツリ喰われるであろう甲斐のアワアワ狼狽えっぷりを楽しみにしておりま~す(*^^*)

Re:無題

なぎ様、こんにちは!
凛への愛が溢れ過ぎて、冷静に考えると若干アホに見えてくる紫苑(笑)
大事が起きても、どこかのんびりとした雰囲気のまま、ひたすら戯れている二人を楽しんでいただければ嬉しいです。

甲斐は相変わらず落ち着きがありませんが、笑いとドキドキをお届けできるように頑張ります。

また、近日中にマイ・パートナーの二人も短編で更新いたしますので、しばしお待ちくださればと思います。

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瑠璃色の王と星の子【ある日の昼】

朝の会議で報告に上がっていなかった書類をさりげなく差し出される。多くの議題をこなさなくてはならないからといって、自分は決して手抜かりを許さない。紫苑は差し出された書類を突き返した。

「報告を受けていない。」

淡々と告げれば苦い顔が返ってくる。

「今朝は時間がなかったもので・・・」

「間に合わせるのがおまえの仕事だ。違うか?」

「申し訳ありません。」

先代が亡くなって、もう一年というべきか、まだ一年というべきか。王子だった頃からその腕力を買われていたからといって、皆が一様に跪くわけではない。

先代は在位が長かった。その所為もあって、政治の中枢では緩みが起きていた。先代の頃より支える役人全てをクビにするわけにもいかない。刷新しようにも自分の理念に迎合する新しい人材を育てなければならない。人を育てることは時間がかかる。だから先代から支える役人たちとも上手く立ち回っていかねばならない。

「明日、議題に。」

「しかし・・・」

「明日。」

「・・・かしこまりました。」

緊急性があるかどうか、紫苑はきちんと見定めている。民の命や生活に関わることなら、今すぐにでも対処するが、自分の生誕祭の行事リストなど、正直一番後回しで構わない。

王宮のある天空の城に、民は足を踏み入れることはできない。しかし唯一、王の生誕祭だけは王宮の庭を開放して宴が行われていた。民が楽しみにしている行事なのは重々承知だが、まだ日もあり緊急性は極めて低い。

書類を出してきた彼が渋い顔をするのは彼自身の名声のためだ。紫苑の知った話ではない。

王章が彫られた金の印を、慣れた手付きで布に包み込み、鍵の付いた箱に入れて仕舞い込む。そして書斎となっているこの部屋にある厳重な金庫へ入れ、その扉を丁重に閉めて鍵をした。

午後の業務はまだ残っているが、そろそろ彼が花湯を持ってやってくる頃だ。紫苑の身体を気遣い、その手で摘んだ草花を調合して、湯で煮出したものを持ってきてくれるのだ。

「失礼致します。星の宮さまがいらしておいでですが。」

「通してくれ。」

「かしこまりました。」

可憐な笑みを湛えて現れた彼は、嬉しそうに紫苑の方へと歩いてきた。その手にはいつも通り、花湯を持っている。

「凛、ありがとう。」

「紫苑さま、ご一緒してもよろしいですか?」

「もちろん。隣りへおいで。」

「はい。」

侍女に目配せをすると頭を下げて去っていく。役人たちも各々一服するために下がっていった。

小さな円卓に花湯を置く。凛が慣れた手付きで二つの鉢に花湯を分け入れていき、一つ紫苑の方へと鉢を差し出した。

その眼差しが早く今日の出来具合を聞かせて欲しいと雄弁に物語っている。紫苑は微笑み返して、早速鉢に口を付けた。

口の中に仄かな甘味が広がって、清々しさが鼻を通る。湯の熱も程よく、公務で使い過ぎた喉を温め潤してくれる。

「凛、おまえも飲んでごらん。とても優しくて爽やかな味だ。」

紫苑がそう告げると嬉しそうに顔が綻ぶ。凛が白く繊細な手で鉢を持ち、小振りな柔らかい口元へとそれを運ぶ。

目を瞑って草花の恵みを味わう姿は、何とも神秘的だ。星の宮の主は神の化身。纏う空気が生まれながらに人とは異なる。

「どうだい?」

凛が瞼を開けるのを待って問うた。

「美味しいですね。」

幸せそうに微笑む彼をもっと近くに感じたくて、そっと抱き寄せて額に口付ける。もう何度もその身を紫苑に捧げてきたというのに、毎度恥じらう姿が紫苑の劣情を掻き立てた。

「紫苑さま・・・」

消え入るような声音で縋り付いてくる。しかしこの愛しい塊は自分だけのものではない。しかしその声が自分の名を呼ぶ時だけは我が身のものと思う事ができる。この計り知れない独占欲が僅かながら満たされる数少ない瞬間だ。

「凛、冷める前に飲もうか。せっかくおまえが作ってくれたのだから。」

「・・・はい。」

恥じらいながらも凛が再び己の口元へ鉢を運ぶ。その仕草を一刻も逃さぬように見つめながら、紫苑も草花の香りを口の中へと注いだ。










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読み方は、
紫苑(しおん)、凛(りん)、とそのままです。

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朝霧とおる
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コメント

1. 無題

とおるさん、こんにちは。
早々に公開してくださって、ありがとうございます!嬉し過ぎて小躍りしちゃいそうな勢いで読みまくっています\(^o^)/

星の宮・・紫苑・・凜・・名前がとても綺麗でうっとり(*´˘`*)♡"
ひたすらイチャイチャですか(笑)望むところですw

波乱万丈もハラハラどきどきで盛り上がりますが、年取ってくると、あまりの激しい展開は心臓に負担が(笑)ゼェハァ(´Д`)
穏やかに二人でずっとラブラブっていうお話が心が幸せになって、何より体にも優しくて好きです(笑)

毎日、午前と夜にとおるさんの作品が読めるなんて、すっごい贅沢!本当にありがとうございます(๑^᎑^๑)

今夜は、身体がおかしくなった今藤にガッツリ喰われるであろう甲斐のアワアワ狼狽えっぷりを楽しみにしておりま~す(*^^*)

Re:無題

なぎ様、こんにちは!
凛への愛が溢れ過ぎて、冷静に考えると若干アホに見えてくる紫苑(笑)
大事が起きても、どこかのんびりとした雰囲気のまま、ひたすら戯れている二人を楽しんでいただければ嬉しいです。

甲斐は相変わらず落ち着きがありませんが、笑いとドキドキをお届けできるように頑張ります。

また、近日中にマイ・パートナーの二人も短編で更新いたしますので、しばしお待ちくださればと思います。

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