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とおる亭

*BL小説* 全作品R18です。 閲覧は自己責任でお願いいたします。

冬の精霊12

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冬の精霊12

随分遅くまで公務が長引き、さすがに凛は待ちくたびれて寝てしまったかもしれないと、少し残念な気持ちで寝室へ向かった。

しかし予想は外れて、天を見上げて窓際の長椅子に行儀良く座っていた凛は、紫苑の登場に優しい笑みで応えてくれた。

「凛。待たせてすまなかった。」

「いいえ。ちっとも眠くなくて。」

「昼に起きたからか?」

「おそらく。」

長椅子から立ち上がった凛をひょいと抱き上げて、寝台へ直行する。凛がバタバタと威勢良く抵抗したものの、それが本心でないことは知っている。

単に恥ずかしがっているだけなのだ。

しかし今朝我慢した衝動がいっきに膨れ上がってきた今、紫苑としては一刻も待つことはできない。

抗議の声を上げる隙も与えず、凛の唇を奪う。

「んッ・・・」

ぴくりと身体を震わせて力を抜いた凛は、無意識に紫苑の袖そ掴んでくる。自分はこの手が離れていくことを心底恐れている。愛し過ぎるゆえに、ひと時も目を離したくない。

ずっとこの目の中に入れて愛で、彼が離れていこうとするなら、その現実を見なくて済むよう、凛をこの手で葬り去ることだろう。

時々凛は、下界に降りてみたいと強請ってくる。愛らしく強請ってくるので騙されそうになるが、好奇心旺盛な彼のことだ。すぐに紫苑より魅力的なものをたくさん見つけ出し、目を輝かせて、いつの間にか紫苑への興味を失くしてしまうだろうと、そればかりを心配し、広い心で許してやることができない。他のものに目を向けるなど到底我慢ならない。

「凛」

「・・・ん・・・ふぅ・・・」

「凛・・・どこへも行ってはいけない。」

「・・・紫苑、さま・・・」

この醜い独占欲は、いつか凛を悲しませてしまうだろうか。籠の中の鳥を不幸にしてしまうだろうか。

しかしそんな風に思いめぐらせてみても、どうしてもこの手を離したくはなかった。

「行きません・・・ずっと、紫苑様と・・・」

「約束だぞ?」

「はい。」

暗がりだと、凛の美しい肌も、真っすぐな瞳も愛でることができない。もどかしく思って、燭台の蝋燭に火を灯した。すると乱れた着衣の間から、凛の艶めかしい肌とそこに咲く赤い痕がしっかりと照らし出される。

「紫苑様・・・」

途端に恥ずかしそうに身を捩ろうとする凛を両手で縫いとめて、紫苑は遠慮なく残りの衣を剥ぎ取っていった。

ツンと上を向く凛の象徴を慈しむように眺める。

羞恥心から膝を閉じて逃げようとする凛の間に分け入って、腰を掴み凛の震える中心をゆっくり口へ含んだ。

「ああッ!」

甘い悲鳴を上げた凛は、嫌だと言うように頭を振って悶えたが、残念ながら望みを聞いてやれそうにはない。もう何度も愛した場所だというのに、凛は一向に慣れてはくれない。いつまで経っても変わらない初々しさに感動して、つい虐めたくなる紫苑の心をわかっていないのだろう。

「いやッ・・・ん、さまッ・・・」

可愛いだけの抗議は、紫苑を昂らせるだけだった。

口で凛の象徴を高めてやり、自分を迎え入れてくれる場所を開いていく。幾度も自分を知っている秘部は、香油の力を借りて、するりと簡単にほぐれていった。

啜り泣く声すら心地良い。自分は性格が悪いだろう。

しかしそんな紫苑のことを本気で拒んだりしない凛は、やはり自分に全てを許してくれているのだと思う。

いつも口先だけの抵抗で、紫苑の及ばぬ天の力で跳ね返されたことはないからだ。

凛が蕩けてきたとこを見計らい、すでに爆ぜそうになっていた凛の象徴を口から離す。

「あ・・・」

急に愛撫が止まって喪失感をおぼえたのだろう。切ない声が凛の口から無意識に零れた。涙で濡れてしまった頬を紫苑は長い指で拭っていく。

「紫苑、様・・・」

「凛。私が欲しいか?」

「ッ・・・」

これ以上は染まらないだろうというくらいに白い頬を赤く染めて涙目で訴えかけてくる。けれど言葉で求めて欲しいから、それだけでは凛の欲しがるものを与えようとは思わなかった。

「凛?」

紫苑は己の猛ったものを香油でたっぷり濡らし、凛の秘部を優しく刺激する。物欲しそうに蠢いた凛を無視して幾度も突くことを繰り返すと、観念したように凛が口を開いた。

「紫苑様・・・」

「どうした、凛。その可愛い口で言ってごらん。」

「紫苑様、意地悪です・・・」

「私は凛に意地悪などしないよ。」

「紫苑様・・・」

「ほら、どうして欲しいか言ってごらん。そなたがして欲しいようにしよう。」

「・・・だ、さい」

「うん?」

「ください、紫苑様・・・あッ!」

「いい子だ。よく言えたね、凛。」

香油と長い愛撫で溶けていた中は、すぐに紫苑を迎え入れた。紫苑の象徴を待ち侘びていたように、凛の内襞に包み込まれ、紫苑は甘い息を吐き出して逸る心をどうにか落ち着かせる。みっともない姿を晒したくないというより、すぐに極まってしまったら勿体ないという気持ちが強かった。

「凛・・・そなたの中が熱い。身体が溶けてしまいそうだ・・・」

「紫苑様・・・紫苑様がいっぱいで、苦し・・・」

一瞬痛いのではないかと心配したが、どうやら違うらしい。泣きそうな顔で苦しいと訴えるものの、凛の顔は快感に打ち震える顔そのものだった。

「凛・・・凛・・・」

顔中に唇を落として、下肢を襲う緩慢な締め付けに耐える。しかし幾度もかわし続ける内に、ついに絶頂を味わいたいという欲求に負けた。

「あぁ・・・あ、あ・・・ん・・・」

紫苑の下でされるがまま揺さぶられる凛を眺めながら感じる快楽は、この世のものとは思えぬほど甘美な時だ。

律動に合わせて上がっていく二人分の息が室内を埋め尽くし、紫苑の汗が凛の白い肌に滴り落ちていく。

今日は長く我慢をするのは難しいと思った刹那、急に襲ってきた絞り取るような秘部の蠢きに息を呑む。

「はぁ・・・」

危うく爆ぜそうになり、脱ぎ散らかした衣を咄嗟に掴んでやり過ごす。

抽送を止めてしまった紫苑を凛が不思議そうな目で見上げてくる。しかしその焦点は合っておらず、蕩けるような瞳が紫苑の腰に重く響いた。

「凛・・・」

「紫苑、様・・・」

もうこれ以上我慢する必要がどこにあるのかと紫苑は開き直り、絶頂を迎えるために凛を揺さぶり始める。

「ッ・・・ああッ・・・んッ・・・う・・・」

少し乱暴な行為に振り落とされまいと、凛が必死にしがみついてくる。その姿にまた煽られて、もう止まることはできなかった。

「あ、あッ・・・ん、さまッ・・・やッ・・・ん・・・」

あまりの気持ち良さに、意識すらも定かではなくなって、蠢く中に誘われるまま腰を突き入れて、腎水を放って中を濡らす。

「うッ・・・」

「―ッ!」

凛が声なき声を放って、二人の腹部に愛液を散らせた。絶頂の余韻に任せて凛を掻き抱く。

荒い息もそのままに凛の肌に吸い付いて、欲望の赴くままに赤い花びらを白い肌に咲かせた。

「ん・・・うッ・・・」

凛が身体を震わせて嗚咽を上げてもなお、紫苑は手を止めることができない。己の象徴も依然凛の中で猛ったままだった。

「紫苑・・・さ、ま・・・」

「凛、今一度・・・」

許してくれと求める前に、先に身体が動いてしまう。自分に愛されて受け止めてくれる凛を、絶対に手放したくない。止めようのない欲求が際限なく湧き上がってきて、自制することすら困難だった。

行為の激しさに啜り泣きながらも、凛が縋るように手を伸ばしてしがみついてくる。

凛は自分のもの。

これほど強く実感できる行為は愛の営み以外、他に思い当たらない。

二人の荒い息と凛がせつなく啼く声だけが、部屋に満ちていく。

そのことに幸福感を抱きながら、紫苑と凛は再び快感の渦に呑まれていった。









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