忍者ブログ

とおる亭

*BL小説* 全作品R18です。 閲覧は自己責任でお願いいたします。

宮小路社長と永井さん『アクアリウム』36

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

宮小路社長と永井さん『アクアリウム』36

熱を持った瞳を戸惑いがちに逸らしたり、決定的な言葉を避けて自己防衛したり、そんな可愛い反発は永井の経験値の低さを物語っている。駆け引きもあったもんじゃなくて、嫌われたくない一心なのが透けて見えて、永井には悪いが和んでしまう。

永井の向けてくれる好意にはちゃんと恋情が含まれている。確信できるだけの材料を惜しみなく示してくれるから、宮小路は焦っていなかった。縋ってくる手も、不安そうに見上げてくる目も、火照る頬も、すべて永井の正直な反応だ。不器用な永井に惜しみなく愛を注いで育てていく楽しさに、宮小路はすっかり溺れている。

「あ、あッ、みや、こ、じ、さッ」

「永井さん。ゆっくり息を吐いて。そう、上手です……ッ」

張った己の先端が呑み込まれたところで息をつく。永井が苦しそうに仰け反ったので、侵攻を留まり胸や首に唇を寄せて、彼の気を逸らした。素直な身体は宮小路の唇にすぐ反応して、秘部の締め付けを緩める。呼吸のたびに宮小路の象徴を圧迫したが、食いしばって堪えるのも悪くない。

熱くて小さな蕾。初めての彼にこの楔は少々難易度が高いだろう。狂暴な芯はまだ三分の一も進んでいない。キツイ締め付けに幾度か耐えていると、辛さが癖になってきて新たな扉まで開きそうになる。

明日になれば永井が酔い潰れた夜に身体を交えなかった事実を悟られるだろう。初めての性交は永井の身体に少なくないダメージを与えるはずだから、苦しませず帰れた朝がかえって不自然であることに永井は思い至るに違いない。永井が言及してくるかどうかは微妙だが、彼が納得いかない気持ちを溜め込んで一人悩まぬよう、宮小路の方からガス抜きをしてやる必要はあるだろう。

永井の呼吸に合わせた締め付けに促され、宮小路の象徴が膨らみを増す。

「あぁ……」

「あなたが誘うからいけないんですよ。」

「さそ、って、な……ッん」

「嘘はダメって言ったでしょう。良くて、持っていかれそうだ……。」

膨張していく熱を秘部で直に感じたのだろう。蕾が緩む瞬間を狙って少しずつ侵攻を再開すると、象徴を包み込む内壁の熱さに宮小路はゴム越しですら酩酊する。つい我慢を忘れそうになるものだから恐ろしい。

「永井さん、ツライですか?」

「んッ……んんッ……」

苦悶の表情を見て腰を引こうとすると、永井が足を回してしがみついてくる。意図したことなのか、さらなる衝撃を恐れての咄嗟の行動だったのかはわからない。しかし宮小路の下半身を直撃したのは言うまでもなかった。

「永井さん、そういうのは、反則、です……ッ」

無我夢中で腰を振りたい衝動に駆られ唇を噛んで耐える。息を荒げてどうにか射精感をかわしたが、涙を溢しながら永井が身じろぐので、宮小路の忍耐力をさらに試された。

「バラ、バラ、に、なり、そ……」

「ッ……大丈夫。ちゃんと、くっついて、いるでしょう?」

「ん……あ……」

張りつめているのは宮小路だけではなかった。一度挿入の衝撃で力を失っていた永井の象徴が息を吹きかえし、早々に蜜をこぼしている。激しい締め付けを覚悟して永井の芯を掌へ包み込むと、永井が啜り泣いて仰け反り、白濁を散らす。

「あッ、ああぁ、やッ」

蜜の放出に伴い一気に弛緩した身体へ腰を突き入れると、鋭く快感のツボを突いてしまったのか、永井が宮小路の下で大きく震えて跳ねる。

「やッ、やぁ、あッ、う……ふぅ、んんッ」

初めて身体を繋ぐのに、これだけ感じられるのは才能だとしか言いようがない。辛うじて繋がることができても苦しいだけだったり、そもそも生理的に受け付けない身体だってあるのだ。それはもちろん男の身体が受け入れるようにできていないからだが、永井は十分過ぎるほど素質を持ち合わせている。宮小路を掴んで離さない手足と無意識で誘ってくる腰はそれを物語っていた。

「永井さん。動きますよ。」

「えッ、やぁ、うごか、な……ああぁ」

身体が受け入れてくれるとわかってしまえば、止まることなんてできはしない。埋め込んだまま揺らすだけだった行為が、いつしか明らかな律動へと変わり、永井を振り落とさんばかりの勢いで抱く。

「はぁ、あッ、あ……んんッ、うぅ……あ、やぁ」

永井の先端から白濁が絶え間なくこぼれ、ふらふらと踊って二人の腹部の間で揺れる。満ち足りた気分でその様子を見下ろしながら、宮小路はさらに腰を抱え上げて深く突き入れた。

永井の締め付けが強くなる最良の場所を狙い打つ。それを繰り返しているうちに、交わる身体の境界線がわからなくなるくらいの快感をおぼえた。

もういつ爆ぜてもおかしくないくらい膨れた熱で永井を嬲るのは快楽だけでは許されず痛さも伴う。限界を超えた我慢が経験のない愉悦を呼び、宮小路は理性を失って呻く。

「ひゃぁ、あッ、も、やぁ」

「永井、さんッ……く、うッ……」

ぐずぐずに泣いてしまっている永井の声が遠い。もっと経験者の矜持でゆっくり甘やかすつもりが、計算違いもいいところだ。

目の前に散った星に思わず目を瞑って、おびただしい量の熱を放つ。これほど一心不乱に貪ったのは初めてで、無意識に揺れる自分の腰を呆然と見下ろす。我に返り慌てて永井の様子を見ると、こちらもすっかり溶けてしまっているようだった。目元が赤くなるまで泣かせてしまったが、罪悪感と充足感が半々だった。

「永井さん」

「ふぁ……んんッ」

絶頂の衝撃から帰ってこられない永井を抱き締め、宥めるようにキスを繰り返す。次第に整っていった呼吸が寝息に変わるまで、さほど時間はかからなかった。

「これはまずい。最初から飛ばし過ぎたな……」

すっかり脱力した永井の身体はあまりに無防備で、さすがに悪戯を試みるほど邪にはなれない。

「こんなに可愛いなんて反則ですよ、永井さん。」

せめてもの罪滅ぼしで、散ってしまった永井の精を丁寧に拭って清めていく。すっかり綺麗になった永井を抱き込むと、彼の手が安堵したように宮小路の腕を掴んだ。










いつもご覧いただきまして、ありがとうございます!!
 ↓ 応援代わりに押していただけたら励みになります!
にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村
B L ♂ U N I O N


Twitter
@AsagiriToru
朝霧とおる
PR

コメント

プロフィール

HN:
朝霧とおる
性別:
非公開

P R

フリーエリア