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とおる亭

*BL小説* 全作品R18です。 閲覧は自己責任でお願いいたします。

宮小路社長と永井さん『アクアリウム』35

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宮小路社長と永井さん『アクアリウム』35

前も後ろもぐずぐずに溶け、四肢がバラバラになっていくように感じる。覆い被さってくる圧は心地よく、散漫になった頼りない永井の感覚を宥めて包み込む。

秘部を弄る宮小路の指は、永井の感じる場所を幾度も弾き、永井は息も絶え絶えだ。物欲しそうに秘部が蠢くたびに信じ難い気持ちに襲われたが、彼を咥え込みたいと身体が欲していることを否定できない。
「ああッ……んッ……ふぅ……ッ」

秘部の中で四方八方へバラける宮小路の指は慎重で、永井を傷付けまいとしているのがわかる。その優しさに焦れてしまうのは、宮小路の楔に満たされる瞬間を待ち望んでいるからかもしれない。

初めて秘部におぼえる欲しいという感覚に戸惑う。しかし酔い潰れたあの夜、確かに自分は宮小路の手で、すべてを暴かれたに違いないのだ。宮小路の大きな手に撫でられていると、開き直って曝け出す気になる。

「あ、もッ」

「大丈夫。永井さん、力を抜いて。」
大丈夫だと繰り返し囁く宮小路は、永井の不安を見透かしているのかもしれない。弱い自分が芽を出して、こんな風に求められる機会は二度と訪れないかもしれないと、永井を急かすのだ。
彼にとってはほんの些細な戯れかもしれない。疑うなんて失礼だけど、怯えを完全になくすことはできず、不安が胸の中で燻る。恐れが急激に膨れると、居ても立っても居られなかった。早く彼を取り込んでしまいたいと全身の細胞が彼の楔を求め始めて暴れる。

惜しみなく甘い言葉を与え、永井を溶かしてくれるのは、この男しかいない。彼の関心が自分へ向けられているうちに、一度でいいから深く揺さぶられ愛されてみたかった。逞しい腕に抱かれたいと願うこの性癖を満たしてくれるのは、変り者の宮小路しかいないだろうから。何の取り柄もない永井を欲しいと言ってくれる稀有な存在だ。

「んんッ、あッ……ああぁ……んッ」
宮小路が探し当てた場所は、永井の身体に際限なく快感を与えて跳ねさせる。

意味のある言葉を発することができなくなって久しく、自分の身体を見下ろす余裕もなかった。

涙で霞む視界から必死に彼の象徴を探す。硬くそそり立つ熱情が身体を蹂躙するのかと想像するだけで、身体中の肌がざわついた。

「……や、もう……みや、こうじ、さッ」

「永井さん。乱れるあなたは最高に可愛い。」

手を止め口付けてきた宮小路が、永井の身体にピタリと身体を重ねる。太腿に宮小路の熱塊を感じて、永井は震えた。

手を伸ばして熱さを確かめるように握ると、その様子を宮小路が目を細めて見つめている。色を帯びた優しい眼差し。手淫の動きに合わせて、宮小路が微かに眉を寄せたり息を吐き出す様子を、永井は呆然と見入った。

「宮小路さん……」

「あなたからおねだりされるなんて、夢を見ているようですね。」

はち切れんばかりに漲る雄々しい熱を無心で扱く。絡める指に煽られたのか、宮小路の象徴は永井の手に愛されて、さらに張りと血を増していく。

「永井さん、いけません。これ以上されたら、あなたに乱暴したくなる。」

「して、ください……」

「これは困りましたね。」

困ったと言いながら、宮小路の顔は笑みをたたえている。目尻が下がり、頬は緩み、永井の誘いを嬉しいと感じてくれているらしい。

宮小路の鈴口からは先走りの蜜が溢れ始め、さらに幹へ力を蓄え赤黒く熟れ狂暴になっていく。

「本当に困りました。明日は休みですから、私の暴走を止めてくれるものが何もありませんね。」

楽しげに微笑む顔が近付いてくる。慈しむようなキスが永井の心を鷲掴みにして、正体のわからない涙が零れた。

「永井さん。毎日あなたを愛し、愛される権利を私にくださいますか。」

どうしてこんな優しさを貰えるのか、自分にそんな価値があるか、永井にはわからない。けれど傷付くことを恐れて踏み出せず宮小路から逃げようとする自分は卑怯だと思う。ちっとも誠実さがない。真正面から愛を囁いてくる自信を漲らせる宮小路とは全く逆だ。
「宮小路さんに、私なんか相応しくありません……」
こんな弱い自分をやっぱり永井は好きになれない。耐えきれずに顔を逸らしたが、宮小路が永井の顎を掴んで言い聞かせるように口付けてくる。
「永井さん。私なんかという言葉は今後禁句です。大切なあなたに、そんな卑下するような言葉は似合いませんから。」
「……。」
「あなたがここに生きているだけで十分尊いですよ。さぁ、私にあなたを愛する許可をください。」
耳障りのいい、優しい言葉だった。他の誰に言われても納得がいかないだろうけれど、宮小路が口にすると自分が彼のために必要な存在だと錯覚できるだけの魔力がある。
緩んだ理性と熱っぽい身体は、いつもより永井から判断力を奪っていた。こんな時に言質を取ろうとするなんて狡いし策士だ。
永井に選ぶ権利があるように見えて、その実、一択しかない。
身体のあちこちを泣かされ、宮小路が答えを促すように際どい触れ方をしてくる。彼の与えてくれるものは、何一つ手酷いことはないと教え込まれていたから、身を任せるということ以外に答えが浮かばない。
恋愛に疎い永井には、胸に湧き上がるこの気持ちの正体がわからなかった。わかることは、宮小路の囁きに胸が苦しくなり、触れられた先から身体が熱くなるということだけ。
「宮小路さんの……思うように、して、ください……」
「どうしても好きだと言ってくださらないのですね。」
責めるような言葉とは裏腹に、宮小路の口調は穏やかだ。フッと笑みをこぼして抱き締めてくる。
「いつか、あなたに好きだと言わせたい。」
きっと言わせてみせます、と自信に満ちた言葉が白々しく聞こえないのは宮小路だからだろう。
「あ……」

上機嫌な声で告げて、宮小路が永井の足を抱え上げる。
「ギブアップです。でも、永井さんに焦らされるのは悪くない。」
恥ずかしい体勢に目のやり場を失ったが、すぐにそんな事を気にする余裕もなくなった。







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