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とおる亭

*BL小説* 全作品R18です。 閲覧は自己責任でお願いいたします。

この手を取るなら58

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コメント

2. ありがとうございました!

紳助と恵一、雰囲気があってとっても好きなふたりでした。執着ものが好みなのですが、ふたりともお互いがお互いに並々ならぬ執着っぷりで、読んでいてとても幸せでした。他のお話しのカップルも全て好きなので、新しいお話し、とても嬉しいです。
そしてまた、紳助と恵一のお話しも読みたいです!

長引く咳には、漢方の小青竜湯が効きますよ(*^o^*) 味は独特ですが…
お身体お大事にしてくださいね。

Re:ありがとうございました!

こんにちは。
恵一と紳助のお互いへの依存度が高めで、こちらも悶々としながら書いていました。
「隣り」の番外編が終わったあと、すぐに恵一と紳助の番外編をアップロード予定です。
是非、またお付き合いいただけると嬉しいです。

小青竜湯って咳にきくお薬なんですね。
調剤事務をしているので処方の入力は散々やっていましたが、自分で試したことはなかったです。
早速今度、先生に処方出してもらうことにします!

1. お疲れ様でした。

58話お疲れ様でした。
毎晩、零時更新が待ち遠しくて、スタンバイ状態。
毎日楽しく読ませて頂きました。
時には、切なく、時には、ドキドキしながら・・・。

歩が恵一のことで紳助をやりこめるというか、
言っちゃうことが歩ラブの私には、高校時代から比べると、
大人になってる~と思っていました♪

次からは、「隣り」番外編スタート、とえも楽しみにしています。

体調・・・、復活されてよかったです。
梅雨ですし、ご自愛くださいね。

Re:お疲れ様でした。

こんにちは。
最後までお付き合いくださいまして、ありがとうございます!

歩のちょっとした成長を織り交ぜつつ、彼が紳助をやりこめるシーンは楽しく書いておりました。
楽しんでいただけていたら幸いです。

スタートしました番外編も、よろしくお願いいたします!

ただいまコメントを受けつけておりません。

この手を取るなら58

引っ越しなんてしなくても良いと思う。けれど紳助はここは手狭だと言って、強引に押し切られるかたちで、二人で暮らしていたアパートを出た。

しかし引っ越すと言っても、結局移り住んだのは目と鼻の先だ。ただ学生が住まうようなアパートではなく、リビングダイニングの他に部屋が別途二つある。

一つは寝室に、もう一つは作業部屋に使う。

紳助は本棚を増量することができて喜んでいた。確かにこうやって広い家に移ってみると、よく今まであんな小さなところで収まっていたよなと思ってしまう。

卒業式前日の引っ越しは、大して手も掛からなかった。大学から台車を借りてきて、それで事が済んでしまった。

紳助が鏡の前でネクタイを締めている。スーツが似合う彼は、あっという間に社会人として溶け込んでいってしまいそうだった。

それが誇らしくもあり、寂しくもあり、複雑な気分だ。

怖くて逃げようとしてしまうのは、いつも自分の方。紳助はいつだって変わらず側にいてくれようとしているのに。

小心者な自分から、全ての不安はどうせなくならない。恵一の不安な気持ちを馬鹿にしたりせず彼は受け止めてくれるのだから、甘えればいいのだ。

しかしわかっていても、それが出来ないのが自分の弱さというか不器用さだ。もうこればかりはどうする事もできない。

完璧で隙のない装いになった紳助を遠く感じる。それがイヤで、彼がしっかり締めたネクタイに手を掛けて僅かに緩め、シャツのボタンを一つ外した。

「このくらいでいいんじゃない?」

「そうか?」

紳助ってこういうところは割と真面目。だらしなく着たりしない。スーツが映えるルックスと長身があるから、尚更嵌り過ぎてしまう。

今日までは学生でいてほしい。少しでも近く感じられるように、という恵一なりの悪足掻き。特段顔色の変わらない彼は、恵一の本当の意図には気付いていそうになかった。

当然だが恵一は出席しない卒業式。

せめて紳助の一つ下なら、空間デザイン学科に所属する自分は会場のセッティング作業に関わることができた。しかし残念ながら歳の差ばかりはどうする事もできない。

「いってらっしゃい。」

「一人でめそめそ泣くなよ。」

「ッ・・・泣かないよ。」

「今すでに泣きそうな顔してんだろ?」

「・・・。」

わかっていたとしても、そういう事は黙っていてほしい。余計に我慢がきかなくなってしまう。

何も言い返せないまま、紳助の背中を押して玄関の扉を開ける。

「いってらっしゃい。」

「頑固だな、おまえ・・・。」

早く行って。涙が溢れてしまう。

最近紳助の前で涙腺が緩みっぱなしで、どうにも格好がつかない。

「しょうがないヤツだな。じゃあ、行ってくるぞ。」

「・・・いってらっしゃい。」

睨むように見上げたら、紳助が苦笑している。扉を開けてしまったからキスはしなかった。

去っていく背中は飄々としている。隙のない完璧な恋人に、気が付いたら叫んでいた。

「卒業、おめでとうッ!」

紳助が声に驚いたのか目を丸くして振り返ってくる。そして彼はすぐに目を細めて、口元を緩めた。

「ありがと。」

きっと一番におめでとうを贈れたはず。それだけでいい。

颯爽と歩き始めた背中はまだまだ自分には遠いけれど、きっといつか並びたい。だからここで止まってはいけない。この寂しさを乗り越えないと。

彼が帰ってきたら、二人のこれからをもっと話したい。口に出せば、叶えられる気がする。今ならそれくらい前向きに思える。

紳助はたくさんのものをくれた。だから次は自分が返したい。

今日は卒業式日和。まだ風は冷たいけれど晴天だった。

春の訪れをのんびり感じていられるほど暇ではないけれど。たくさん二人の思い出を重ねていけたらいい。

恵一は紳助の逞しいその背中が見えなくなるまで、ずっと目で追い掛け続けた。















-----------------------------------------
皆さま、読了いただきまして、
ありがとうございます!!

最近、とても素敵なファンタジー小説を読み、感化され、
諸々の番外編後は、
もしかしたらファンタジーに手を出しているかもしれない朝霧です。
頭の中で組み立てているものが無事完結したら、公開する、か、も・・・(笑)

明日からは、しばし諸々の番外編にお付き合いいただければと!
「隣り」片岡賢介と倉橋歩の二人でスタートいたします。



この一か月ほど咳に悩まされ、体力を消耗しております。
3週間ほど書くことから離れていたのですが、
なんとか復活いたしました。
途切れず1周年を迎えられるといいなぁ~と、
ゆるい目標を掲げつつ、
励んでまいります!

時々ブログ村やユニオンをのぞきにいくたびに、
たくさんの方に見ていただけているのだなぁ、と感涙です!!

日々の更新が拙い文章であることが大変申し訳なくなってくるのですが、
書くことそのものが息抜きになっている私には有難い限りです。


ところで、ネタを提供してくれた二人に捧げた今回の作品ですが、
その一人から「漢字が多い!」という指摘を受け、
番外編からは気持ち少なめで挑戦してみたいと思います。
拙い文章ゆえ、少しでも読みやすくなることを祈りつつ。。。


それでは、また。。。

管理人:朝霧とおる


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コメント

2. ありがとうございました!

紳助と恵一、雰囲気があってとっても好きなふたりでした。執着ものが好みなのですが、ふたりともお互いがお互いに並々ならぬ執着っぷりで、読んでいてとても幸せでした。他のお話しのカップルも全て好きなので、新しいお話し、とても嬉しいです。
そしてまた、紳助と恵一のお話しも読みたいです!

長引く咳には、漢方の小青竜湯が効きますよ(*^o^*) 味は独特ですが…
お身体お大事にしてくださいね。

Re:ありがとうございました!

こんにちは。
恵一と紳助のお互いへの依存度が高めで、こちらも悶々としながら書いていました。
「隣り」の番外編が終わったあと、すぐに恵一と紳助の番外編をアップロード予定です。
是非、またお付き合いいただけると嬉しいです。

小青竜湯って咳にきくお薬なんですね。
調剤事務をしているので処方の入力は散々やっていましたが、自分で試したことはなかったです。
早速今度、先生に処方出してもらうことにします!

1. お疲れ様でした。

58話お疲れ様でした。
毎晩、零時更新が待ち遠しくて、スタンバイ状態。
毎日楽しく読ませて頂きました。
時には、切なく、時には、ドキドキしながら・・・。

歩が恵一のことで紳助をやりこめるというか、
言っちゃうことが歩ラブの私には、高校時代から比べると、
大人になってる~と思っていました♪

次からは、「隣り」番外編スタート、とえも楽しみにしています。

体調・・・、復活されてよかったです。
梅雨ですし、ご自愛くださいね。

Re:お疲れ様でした。

こんにちは。
最後までお付き合いくださいまして、ありがとうございます!

歩のちょっとした成長を織り交ぜつつ、彼が紳助をやりこめるシーンは楽しく書いておりました。
楽しんでいただけていたら幸いです。

スタートしました番外編も、よろしくお願いいたします!

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