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とおる亭

*BL小説* 全作品R18です。 閲覧は自己責任でお願いいたします。

この雨が通り過ぎるまでに55

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この雨が通り過ぎるまでに55

「もう、いい?」

坂口の言葉に、瀬戸は必死に頷く。早く挿れてほしいと強請っていたのは自分の方だ。坂口に腰を掴まれ、彼の熱情を宛がわれると、瀬戸の身体は期待して震えた。

押し入ってくる熱に鳥肌が立つ。腹部が大きく膨らむような圧迫感に息を詰めながら、坂口の口付けに幾度も宥められる。

乱暴で一方的な行為しか知らなかった自分は、坂口の見せてくる気遣いに、時折戸惑ってしまう。握り返してくる手とか、声を上げると様子を窺ってくる瞳が瀬戸を落ち着かなくさせる。

「坂口、さ・・・も、いい、から。」

「中、キツイよ。もう少し、このまま。」

微笑みと口付けに甘やかされながら、どこか乱暴にしてくれと願ってしまう自分がいる。坂口にしがみ付いて腰を揺らめかせると、彼が焦った顔をして歯を食いしばった。

「ッ・・・こら、瀬戸。もうちょっと、待って。痛いのイヤだろ?」

「ちょっとくらい、いい。」

「良くないってば。」

すぐ陥落してくれた前とは違い、今日は駄目らしい。余裕のある坂口の顔が少し恨めしくて、そっぽを向いた。

「瀬戸。優しくさせてよ。」

「んッ・・・」

律動を始める代わりに、坂口が瀬戸の分身を緩々と扱き始める。穏やかな快感は思考を奪ったりしないから、猛烈な羞恥心だけを連れてくる。まじまじと瀬戸の反応を見つめてくる坂口の視線も頭を沸騰させた。

「こんなの、ヤです・・・」

「絶景なのに?」

「坂口さん、変態・・・ッ」

悪態をついたと同時に、止まっていた坂口の侵攻が再び始まる。全て瀬戸の中に埋め込まれたと思ったら、ゆっくりと坂口が腰を引いていった。意識がそこばかりに集中して、這い上がってきた快感に総毛立つ。

「瀬戸、気持ちい?」

「ヤッ・・・も・・・」

「俺は、凄くいい。絡みついて、たまんない。」

恍惚とした顔を見せてくる坂口に、返す言葉は見つからない。ただ恐ろしく恥ずかしいこの状況から脱したいという考えだけが瀬戸の頭を占めている。

「瀬戸。激しくしたいなら、上乗る?」

「え・・・?」

「よいしょっと。」

抱き上げられて、意図せず坂口の上に跨る。坂口の切っ先は瀬戸の奥まで届いて、瀬戸の腰には快感の衝撃が走った。

「んッ」

「ほら、瀬戸。好きなようにして。」

「ッ・・・。」

組み敷かれていた時より近い顔に赤面して俯く。縋るように坂口の肩に顔を摺り寄せたが、彼は瀬戸の背に手を回して抱き締めたまま、仕掛けてくる様子はない。しかし身体中を駆け巡る疼きに我慢も限界で、そっと腰を揺らめかせた。

「うッ、ん・・・あ、あぁ・・・」

「それで足りる?」

坂口の腕に持ち上げられ、瞬時に身体の重みに任せて落とされる。

「わッ、あぁ・・・坂口、さんッ」

「瀬戸。こうやって動かなきゃ、気持ち良くなれないよ?」

「やぁ・・・あぁ、んッ・・・ああぁ」

「あッ、今・・・凄く、締まった。」

息を詰めた坂口は、一層硬茎を漲らせ、瀬戸の中で容積を増す。瀬戸が圧迫感と切っ先が奥を抉る衝撃に耐えかねて仰け反ると、坂口の腕が受け止める。頭の中がたちまち真っ白になっていき、恥ずかしいという気持ちはいつの間にか影を潜めていった。貪ってくる勢いに身体を幾度も震わせるだけだ。

坂口が口付けてきたので、息をするのが苦しい。けれど激しさが生む快感に溺れて、自分でも気付かぬ間に腰を揺らしていた。

「ココ、ぐちゃぐちゃだ。」

二人の間で揺れていた瀬戸の分身は先走りで濡れていた。敏感な先を指の腹で強く擦られて、耐える間もなく白濁が散る。

「んんッ、ん・・・ふぁ、ああぁッ・・・」

「くッ・・・ふぅ・・・」

達した瞬間、秘部を埋めていた坂口の分身を締め付ける。彼の形と波打つ瞬間を生々しく感じ取って、瀬戸は二度目の絶頂を迎える。容赦なく分身を扱き続ける手に瀬戸は悶絶し、ずっと止まらない絶頂感に身体を痙攣させた。

「あ、あぁ・・・」

「瀬戸、大丈夫?」

「ん・・・」

上手く息ができなくて、抱き締めてきた坂口の温もりに宥められる。チカチカと白く点滅して焦点の定まらない虚ろな目で坂口を見ると、煽られたのか瀬戸の中で坂口の分身が息を吹き返す。

「ッ・・・」

睨み付けると、ちっとも悪いと思っていない顔で、坂口は口先だけの謝罪をしてきた。

「ゴメン、って。そんなすぐ満足できるほど枯れてないんだよ。」

「いちいち言わなくていいです・・・。」

「瀬戸。ここ最近、当たりが強くない?」

「坂口さんが変な事ばっかり言うようになったからです・・・。」

熱をぶつけ合った後、愚痴を溢したり、悪態をついたり。そういう時間を知らなかった。罪悪感と悲しさで押し潰されそうになることがなくて、身も心も解放感だけがある。かえって妙な感じだ。胸をいっぱいにしていく感情の正体がわからないまま、涙だけが込み上げてくる。

「坂口さん・・・。」

「うん?」

「なんか、変・・・。」

「え、ちょッ、瀬戸? なんで、泣いてんの!?」

「わかん、な・・・ッく。」

「わぁー、ちょっと!! 瀬戸!?」

いつになく慌てた顔の坂口が面白くて、瀬戸は泣きながら笑みを溢す。胸につかえていた棘がようやく取れて、解き放たれたような気分。自分の気持ちを上手く説明はできなくて、瀬戸は坂口に首を振って笑った。








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いつもご覧いただきまして、ありがとうございます!
一旦こちらで終了となりまして、またちまちま番外編で書き足して行きたいと思います。

さて、「鉄血のオルフェンズ」が最終回を迎えましたが、まだそこから再起できておりません。
賛否両論、大噴出なところがガンダムシリーズらしいですが、個人的にはシリーズの中でも1位、2位を争う、大好きな作品になりました。
大変申し訳ないのですが、気晴らしと推しの供養のために、一週間ほど二次創作に励みます。
いや、一週間で終わるでしょうか・・・。
なんせ、推しが多過ぎまして・・・。
兎にも角にも、その間は、J庭で配布させていただきました「瑠璃色の王と星の子」の第二弾をお届けいたします。
引き続き0時更新ということで、甘々な紫苑と凛をお楽しみいただければと。

そして、こちらでは全く需要ないと思われますが、鉄血の二次創作も出来次第こっそりアップしますので、ご興味ありましたらお収めください。

管理人:朝霧


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