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とおる亭

*BL小説* 全作品R18です。 閲覧は自己責任でお願いいたします。

この雨が通り過ぎるまでに48

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この雨が通り過ぎるまでに48

本当は不安だし、恥ずかしい。いつもより口数が多い自覚はある。しかし軽口を叩いていられたのも、坂口の指がこそばゆい感覚を生んでいる間だけだった。久々に押し入ってくる圧迫感に瀬戸が息を詰めると、坂口が宥めるように額や頬にたくさんのキスをくれる。

「瀬戸、いい?」

怖くはなかったけれど、幻滅される心配をしている。可愛げなんてないし、自分のことを特筆して魅力的だとは思えないから。

愛撫の手がそこかしこを触れていくたびに跳ねてしまう身体をどうにかすることはできない。しかしせめてみっともなく喘ぐことだけはしたくないと、キュッと唇を強く閉じて、坂口に頷き返す。

「ん・・・」

熱塊が様子を窺うように秘部を軽く突いてくる。先程から胸に落ちてくる坂口の汗が、彼の昂りを物語っていた。

「坂口さん・・・」

「ん?」

「早く・・・」

「挿れたら、すぐ出そう。」

そうしたら、何度だって満足するまで抱き合えばいい。

思っていても言えないことが胸に溜まって苦しくなる。一度だけじゃなく、過去を塗り替えるくらいの激しさで求めてくれたらいいのに。気遣ってくれる優しさが瀬戸にとってはかえって苦い。

「ッ・・・待って、瀬戸! ホント、出ちゃうって!」

意外にも潔くない坂口に焦れて、彼の硬く猛ったものを手に包んで擦り上げる。眉を顰めて途端に息を乱した坂口はようやく意を決したのか、瀬戸の腰を掴んで分身を手に身を沈めてくる。

「んッ、ん・・・」

ゴムの箱がソファから転がり落ちて、フローリングの床で軽快な音を立てて跳ねた。用意はしたくせに切羽詰まって忘れちゃうだなんて、坂口の案外うっかりしているところがいい。完璧だったら、こんな風に快感に焦った顔を見ることもできなかっただろう。

「瀬戸・・・いい?」

聞きながら、もう坂口の腰は揺れている。浅く荒い息を繰り返す姿に、瀬戸は抱き付くことで応えた。

「瀬戸ッ、痛くない?」

やめてくれと言ったって、止まる気なんかないくせに。衝撃を受け止めながら必死にしがみ付く。

「ごめ・・・痛い?」

律動に歯を食いしばっていたからか、あるいは爪が食い込むほど坂口の背を掴んでいたからか、心配そうに坂口が尋ねてくる。瀬戸は小さく首を振って、足で坂口の腰を引き寄せて先を促した。

「大丈夫、です。」

「ホント?」

二度頷いてキスを強請る。みっともない姿を晒したくはなかったのに、坂口の薄っすら開いた張りのある唇を見つめていたら、欲しくて堪らなくなった。

「ん・・・ふぅ・・・」

「瀬戸ッ・・・」

降りてきた唇を迎えて貪りつく。誰かを好きになるのは怖かった。でも一度その境界線を越えると、溶け合うほど欲しくなるらしいと知る。自分を捕える熱い視線や、少し乱暴に押さえ付けてくる手が愛おしく感じて、目頭が熱くなる。

不安だった。坂口の気持ちを疑っての事ではない。自分で自分が信じられなかったから。口説かれて落ちるくらいには、恋をしたいと思える自分がいた。ホッとした瞬間に涙がこぼれ落ちる。堰を切って止まらなくなった涙に焦って、目をギュッと瞑る。

「瀬戸?」

「んッ・・・すき・・・」

「俺も、好き。瀬戸、こっち見て。」

「・・・ッく・・・ムリ・・・」

漏れた嗚咽に気を取られて、強張っていた身体から力が抜けていく。その瞬間穿たれた坂口の切っ先が奥を抉って、今まで必死に堪えていた嬌声が出てしまう。

「あぁッ、や・・・んッ、ん・・・」

「はぁ・・・瀬戸、気持ちい・・・ん、イキそう・・・」

焦った坂口の声を聞き、すぐに抽送が激しくなる。次第に喘ぐ声を恥ずかしいと思う余裕すらなくなって、ただソファから振り落とされまいと坂口の背に爪が食い込むほど強くしがみ付く。

「瀬戸ッ・・・んんッ・・・ふぅ・・・」

坂口が身体を硬直させて呻く。途端に身体の奥に熱が幾度も叩きつけられる。そして坂口の震える手が加減なしに瀬戸の硬茎を扱いて、間もなく瀬戸も絶頂を迎えた。

「あッ・・・ち、さん・・・んぅッ、ああぁ・・・」

泣いて頬には滴が纏わり付いているし、二人分の汗と蜜に身体が濡れて、もうぐちゃぐちゃだ。

「瀬戸」

呼んでくる坂口に虚ろな目を向けて応えると、もう一度しようと耳元で囁いてくる。二人の身体もソファも悲惨な状態に陥っていることなんか、坂口は全く意に介していないようだった。

「・・・明日、仕事ですよ?」

「フォローするから。」

業務内容が全く違うのに、どう手伝う気なのかはわからない。多分この場限りの言い訳だろう。それに背後で応援されても逆効果なのは、すでに身をもって知っている。

「瀬戸、ダメ?」

「・・・いいですよ。」

渋々了承して見せたのは本心からではない。求められる嬉しさに溺れていないとポーズを取りたかっただけ。瀬戸は緩んだ口元を隠すために坂口の首元に抱き付いて誤魔化した。









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