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とおる亭

*BL小説* 全作品R18です。 閲覧は自己責任でお願いいたします。

紫陽花18

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紫陽花18

いつからか人前で泣けなくなって、一人でいる時ですら満足に泣くことを躊躇うようになったのだろう。

今藤の下で仰け反って息を上げ、目尻から流れ落ちていく涙の中に、哀しさややりきれない気持ちが幾分か含まれている。

唯一自分を曝け出し、逞しい腕に縋れるこの瞬間は、今何より奪われたくない時間。こんな振り乱して泣くなんて、この先、この男の前だけだろうと雅人は思うのだ。

「あッ、こん、ど……あ、あぁッ」

「ッ、甲斐」

ただ快感を追える時間は解放感に満ちている。汗が直接肌を叩いても拭う余裕すらなく、今藤が与えてくる律動に合わせて呼吸するのが精一杯だ。

「んッ、んん、ぅ……」

ゴムに阻まれることなく今藤の熱を感じているだけで肌が騒めく。時折頭上で息を呑む今藤にもっと感じてほしくて、腹部に力を入れ彼を強く包み込む。

「甲斐ッ……」

焦ったように腰を引こうとした彼を、足を回して捕らえる。すると仕返しとばかりに腹部で踊っていた雅人の屹立を今藤が大きな手で擦り上げてきた。

「あッ……ヤバ……ん、んんッ」

脳天に響いた快感を必死に逸らそうと頭を振り乱す。うっかり力んだ秘部の奥で、生々しくカタチを感じ取れるほど今藤の熱情が張った。

「うッ……おお、き、く、すんなッ」

「無茶、言うな」

快感を追っていると二人揃って攻撃的になるから、気の利いた言葉が互いから発せられることはない。特に雅人の場合、抱かれる衝撃で理性はほとんど機能しない。

今藤も一旦行為が激しくなれば、獣じみた獰猛さで雅人を突き上げてくる。雅人は熱に浮かされ求めてくれる今藤の顔が好きだ。突かれて奥を抉られる感覚に肌を震わせるのも、今藤に抱かれて初めて知った感覚。

ただ好きだというだけで、身体中の細胞が湧き立つ気がして、もう他の誰かで代用しようなんてことは微塵も感じないのだ。

「甲斐、こっち、見ろ。」

「んんッ、ムリ……」

さほど柔軟性のない足を抱え上げられると、深く今藤の怒張が侵攻してくる。衝撃で左右に振られた雅人の分身は、先端の秘裂から少量の白濁を散らせた。

「甲斐」

「ヤダ……バカ。離、せッ」

緩んで蜜を飛ばした雅人を見咎め、今藤が二人の間で揺れている雅人の分身を手で戒めてしまう。
気持ち良さも過ぎれば拷問と同じだ。身悶え、泣いて縋る自分なんて、冷静な時は想像もしたくない。けれどそんな顔を今藤は満足そうに見下ろしてくるから、辛うじて羞恥心を脇に置くことができる。

「あぁ、あ……ん、んんッ」

折り重なって腰を穿ってくる今藤に、受け止めるだけで必死だ。このラストスパートだけは、完全に思考が止まる。下肢から溶けて頭を真っ白にするまで、そう時間はかからない。雅人の屹立を扱く手も蜜で濡れて、さらに速度を上げて攻め立てられた。

「う、んッ……あッ、あぁ、ん、ああぁッ」

「甲斐ッ」

短く、呻くように呼ばれた次の瞬間、絶頂と喪失感が一気に押し寄せてくる。急に去ってしまった今藤の熱情は、雅人の腹部に先端を向け、爆ぜて白濁を叩き落とす。雅人は全身をシーツに投げ出して、今藤が幾度も腰を震わせるのを呆然と見つめる。自分が放った飛沫と交じり合って、下肢から胸部へかけて、そこかしこに白濁が散っていた。

「ッ、危な……」

「別に、いいのに……」

息も絶え絶えに二人で笑い合って、覆い被さってきた今藤の重みを受け止める。苦しいくらいが心地良くて、熱い唇に呼吸を奪われるのも満更ではない。

肌を密着させて絡み合う間にも、時折残滓が互いの身体を濡らすものだから、身体もシーツも体液でぐちゃぐちゃだ。部屋の中には雄の匂いしかしない。

「スッキリしたら、眠い……」

無遠慮に欠伸をしたのは、照れ隠しもある。抱き合った後の甘い空気がどうにも気恥ずかしさで耐えきれなくなるのだ。

「今のは浮気分だろ?」

「あれは、ちがッ」

今藤の腕から逃げる前に、再び秘部に指の侵攻が始まる。敏感な部分を掻き回す指には全く躊躇いがなく、身体を清める間もなく膝の裏を今藤の手がすくい上げる。

「こっちは二週間分なんだよ。」

「知らないし!!」

「へぇ。」

「あ、いや、その……俺にも原因はあるけど、先週誘ったのに、しなかったの今藤じゃん!」

二週間分という言葉の本気度が、すでに復活の兆しを見せる今藤の分身に表れている。

「シャワーくらい!」

「もう、今さらだろ。」

「うわッ、ちょっ!」

何度も衝撃を受け止めていた秘部は、すんなり今藤を飲み込んでいく。じわりと腰を這う快感に嘘はつけなくて、雅人は半ば自棄になりながら、今藤の肩に抱きついた。








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